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FireEmblem 覚醒:お菓子教室。
絵と文とか

FireEmblem覚醒

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捏造支援会話の続きになっています。
支援会話の延長みたいな感じです。小説というよりは支援会話…というよりは駄文です。
※ここのHPにある駄文はほとんどが寸止め劇場です。つまりは、そんな感じかもしれません。



野営地では、休息用の天幕の他に最低限必要な施設が簡易的に建てられている。
その規模は場合によって異なるが、今回は長期滞在を予測してかなり充実した作りだ。
調理場も大人数を賄うには十分な広さがある。

その広い調理場の一角で、皿の上に置かれた得体の知れない物体を見つめてイーリスの王女は嘆いた。
「う〜、ゴメン。わたしやっぱ向いてないね。ガイアさんに手伝ってもらわないと本当にヒドイや…」
その得体の知れない物体は、多分クッキーなのだろう。
ガイアは多分クッキーだと思われる物体を片付けながら、もう一度作るための準備をする。
「いや、いいさ。また挑戦すれば」
「材料無駄にしちゃったね。わたし買ってくるから待ってて!」
イーリスの王女は勢い良く調理場の出口に向かった。
その後ろから、慌ててガイアが王女を呼び止める。
「ああ、待てリズ!」
「え?」
走りながら振り向き、リズは調理場の出口で人影にぶつかった。
よろめいたリズを支えた人影はヘンリーだった。
「あれー?リズ。大丈夫〜?」
「え?あ、ヘンリー。ありがと」
そして、リズはまた走り出そうとした。
ガイアもまたリズに声をかける。
「待てって!材料ならもうあるから」
そう言われ、リズは足を止める。
「え?わたし失敗して全部駄目にしちゃったよ…」
「ヘンリーが買って来てくれたから大丈夫だ」
リズは「え?」とヘンリーの抱えている袋を見た。
確かに袋から覗いている物は牛乳やらバターで、お菓子の材料のようだった。
「どうして、ヘンリーが?」
ヘンリーとお菓子。むしろ、ヘンリーとガイアの組み合わせが意外で、つい「どうして」と聞いてしまう。
聞かれたヘンリーはいつもの笑顔で、袋から材料を取り出しつつリズに答える。
「菓子作りの手伝いをしてるんだよ〜」
「そうなんだ。なんか意外だね」
リズはガイアとヘンリーを交互に見ている。
そんなリズを見て、ガイアが口を挟む。
「ヘンリーから貰ったペレジアの菓子が予想以上に旨くってな。味を再現しようって事になって、一緒に作ってたんだ」
「ペレジアの菓子?」
「食べてみるか?」
そう聞かれ、リズは興味津々に頷いた。
「うん。食べてみたい!」
今度は失敗しないようにと、リズは殆ど手を出さず、菓子作りの行程を見て覚える事に徹した。
そうしなければ、ペレジアの菓子が食べれないと確信したからだ。

手際良く菓子の生地を完成させ、形を作り焼く。
その行程まで終わって、リズは大きく溜め息をついた。
「はあ。やっぱり、わたしには向いてないのかな〜。ヘンリーの方がちゃんと出来てる…」
「前も言ったが、回数こなせば誰でも、そこそこ出来るようになるって」
ガイアはそう言い、リズはちょっとビックリした顔でヘンリーを見た。
「え、ヘンリーの方が、わたしより作ってるの…」
それには、ヘンリーではなくガイアが答える。
「あー…。ほら、ペレジアの銘菓の再現とかさ、一人より効率良いしな。だから、最近はずっと一緒かな…」
それを聞き、リズはガックリと肩を落とした。
「そうだよね…。わたしじゃ効率上がんないよね。その前に、手伝うんじゃなくて教えてもらってるんだけどね…」
そんなリズを見て、ガイアはしまったという顔をした。
別にリズがどうこうではなく、ヘンリーの方が菓子を作ってるからリズより出来てるだけだって事を言いたかったのだが、リズはリズ自身とヘンリーを比べている…。
どうフォローしようかと考えあぐねているとヘンリーがリズに声をかけた。
「じゃあさ、リズも一緒に作ろうよ。いつも一緒に作ってれば上達するんじゃないのかな〜?」
「え?いいの?わたしヘタだよ…」
「だから、回数こなさいと〜?がんばろ〜!」
「う、うん…いいのかな?」
チラっとリズは黙っているガイアの方を見た。
「あ?ああ、もちろん。経験が第一だからな。作って慣れるのが一番だ」
「やった!ありがとう!!駄目って言われるかと思っちゃった」
「な、なんでだ…。駄目な理由がないだろ」
そう言うガイアにリズは答える。
「だって、返事遅かったんだもん。もしかしたら、ヘンリーと二人っきりのが良いのかなって…」
「いや…。いや?え?なんで、そうなるんだ…」
予想外な事をリズに言われて、変な返事になってしまった。
二人の方が良いだなんて、どんな風にリズに思われたんだ…。
ガイアが一人で気まずくなっていると、ヘンリーがいつもの調子でリズに言う。
「あはは。リズは面白い事言うね〜。三人の方が賑やかで良いんじゃない〜?失敗したらその分もっと作れば良いんだし、がんばろ〜」
「そうだね。がんばろー!」
リズとヘンリーは、ひとり気まずくなっているガイアをよそに、声を掛け合っている。
「……」
そんな様子を横目で見て、ガイアは自分と二人の温度差を感じた…。



長期間使用した今回の野営地は、やっと本拠地に戻るための撤去作業が開始された。
少しずつ撤去作業が進められてはいるが、調理場はまだ健在で施設内ではいつも通りガイアの菓子教室が行われていた。生徒はリズだけなのだが…。
「出来た!!」
「上出来だな」
「うん、美味しそうだね〜」
三人はそれぞれ、リズがほぼ一人で完成させた菓子に感想を述べた。
リズは凄い満足げに微笑んでいる。
そして、何かを思いついたように袋に詰めた菓子を大事に抱えて丁寧におじぎをする。
「二人とも、ありがと!わたし、お兄ちゃんとルフレさんにプレゼントしてくる!」
「ああ、きっとビックリするぞ」
「えへへ〜。また一緒に作ってね!」
そう言って、足早に調理場を出て行った。

リズが居なくなり、少し沈黙が流れる。
ひと呼吸置き、ガイアが口を開く。
「二人っきりになるの久しぶりだな…」
「そうだね〜。リズが居ないと静かだね。寂しい?ガイア」
「なっ…」
いつもの笑顔で言ってくるその言葉の真意は分からないが、リズに気があるとでも思われたのかと、ちょっと焦る。
もちろん嫌いではない、どちらかと言えば好きだ。愛とは違うが、妹みたいな存在なのだと思う。
そして、今の二人っきりの静かな空間も嫌いじゃない。
むしろヘンリーがどう思っているのか、そっちの方が気になり同じ事を訊く。
「ヘンリーは寂しいのか?」
「え〜?三人で菓子作りは楽しかったけど、ガイアと二人で居るのも好きだよ〜」
「そ、そうか」
久しぶりに二人っきりになったせいなのか、いつもと違う気持ちに気づく。
三人で居るのはそれはそれで楽しかったが、二人っきりの時間が欲しいと心のどこかで思っていたのだと。
ヘンリーは何を考えているか分からなく掴み所のない奴だが、接してみると良い奴で気兼ねなく話せる人物だと分かった。
一緒にいると心が安らぐとさえ今は思う。それは、お互いの過去には触れないからか、もしくは…。
「もうちょっと、菓子作る?」
黙っているとヘンリーから声をかけられる。
「いや…。もう少し、こうしていたいかな」
「じゃあ、僕もまったりしてよう〜」
誰もいない調理場で二人並んで壁に寄りかかり、その辺を眺める。
端から見たら変な光景だろう。
ふと、ガイアはヘンリーの方を見ると、ヘンリーは目を閉じていた。
いつもニコニコしてるので普段からそんな目は開けていないのだが…。
その笑顔とは違う表情だったので、立ったまま寝たのか?と、顔を覗き込む。
それに気がついたのか、ヘンリーは薄目を開けた。
「ん?」
「い、いや。寝たのかと思って…」
至近距離で目を開けられ一瞬ドキっとする。
「寝てないよ〜?」
そう言って、また目が閉じられた。
目を閉じてる時間の方が開けてるときより長いんだろうなと、くだらない事を考える。
それより、こんな至近距離に顔があるのに、気にせずまた目を閉じるってどういう事だ…。
男同士だから無防備なのか?それとも、誘っているのか…?

まあいいやと、考えるよりも先に唇を重ね、そのまま抱きしめる…。
抱きしめるとヘンリーの体が少し反応する。

「あれ〜?僕、襲われてる?」
「嫌なら逃げても良いぜ」
「あはは。逃げないけど、ココ調理場〜…」




ーーーーーー
おしまい。

ココ調理場〜て、え?キスまでですよ?ええ。多分、きっと。

捏造し放題です。
支援会話なさすぎなのがイケないんですよね?
あったらあったで、ウヒョーなんでしょうけど。


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