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FireEmblem 覚醒:希望に咲く闇 8 |
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<8話目> 完結。 食べた食器を片付け、急いで天幕へ戻る。 日課となってしまったその行動に、終止符を打てる日が来るだろうかと考えながら、いつものように天幕の入り口を開ける。 そこには変わらぬ姿が寝台の上にあり、安堵の息と共に溜息が漏れる…。 今日も目を開けてくれないのか…。 静かな天幕には、微かな寝息だけが聞こえる。 それは生きている証拠で、毎日その音だけに耳を傾けていた。 一日の大半をこの天幕ですごし、どれくらいの時が経ったかなんて、分からなくなってしまう…。 ふと、このまま目覚めないのではないかと不安に思い、血の気の無い白い頬に優しく触れる。 「ん…」 微かに口が動き、思わず触れた手に力を込める。 「ヘンリー!」 「ガ、イア…」 「大丈夫か?痛い所はないか?」 布団の上から控え目に身体に触れるが、目だけはヘンリーから離さない。 意識がまだハッキリしていないのか、ヘンリーはガイアをぼんやりと見つめていた。 「へい、き…」 「そうか」 ちゃんと返事を返すヘンリーに安心し、ガイアは椅子に座り直し安堵の息を漏らした。 「…どうして、僕は生きているの?」 「まだ、死ぬべき時じゃないからだ」 「ガイアはどうして…」 「あんまり喋るなよ」 もう一度、ヘンリーの頬に手を寄せる。 「…」 「心配するな。お前はここに居ていいんだからな」 ここに居ていいと言われ、記憶が蘇ってくる。 確か僕はルフレから離れようとして…。でも、ここは闇の中じゃなく、ガイアも居る…。 「…ルフレは?」 「ああ、居るよ。なんか、自信をつけてたな」 「自信?」 「良くは知らんが、未来は変わるってさ」 良くわからないと言いながら、ガイアの口調には余裕があった。 そして、ヘンリーの頬を撫でながら微笑んでいる。 「僕…」 不安そうに何かを言いかけるヘンリーに、ガイアは顔を近づけて頷く。 「ああ、大丈夫だ。良い方に変わるって息込んでたぜ。だから、ヘンリーはここに居ていいんだ」 「本当?」 「俺が信用できないか?」 「ううん」 ヘンリーの返事に満足し優しく抱き寄せ、柔らかな銀髪に顔を埋める。 「もう、離さないからな。絶対に」 「…ガイア。ごめんね」 「謝るなよ」 頭髪から顔を離して、ヘンリーの顔を覗く。 その表情に笑顔は無い。この状況じゃ当たり前だろうが、コイツの通常装備は薄っぺらな笑顔だ。 もうずっと笑顔を見ていない気がする。あの日、何処かへ落としてしまったのではないだろうかと思ってしまうくらい…。 「怪我させてごめんなさい。傷つけて…」 「こんなの怪我の内に入らないって、もう完治してる」 「僕はしちゃいけない事を…」 ペレジアではよくやっていた事だったが、イーリスではしちゃいけない事だと知った。 仲間だなんて思ってなかったから出来た味方への攻撃。 それをイーリスで…、仲間以上に想っている人にしてしまうなんて…。 「平気だって言ってるだろ?お前が戻ってきてくれただけで、俺は十分なんだ」 「ごめんね…」 いくら謝っても許してらえるなんて思わない。 なのにガイアは許すと言う。 「しょうがないな…分かったよ、謝ってくれて有り難う。だからもう何処へも行くなよ?」 「…うん」 どうしてガイアは許してくれるんだろう。 「よし、良い子だ」 ガイアはそう言い、優しく微笑んでキスをした。 優しく抱きしめられ、優しくキスをされ「ああ、愛されているんだな」って気づかされる。 だから許してもらえるんだ。…そう思った。 「ありがとう、ガイア。僕は幸せ者だね」 「何言ってんだ?お前。糖分足りてるか?」 「あはは、じゃあ何か甘い菓子でも貰おうかな〜」 「ああいいぜ。いくらでもやるよ」 やっとヘンリーの笑顔を見る事が出来た。 薄っぺらより数段上の、お気に入りの笑顔だ。 またこの笑顔が見れて、俺も幸せ者だ…なんて思ってしまう。 一生笑ってすごせるような、そんな未来になってくれればいい。 いや、なるだろう。 未来は変えられるのだから…。 …そう信じている。 ------------------------------------- おわり 最後もやはり、未来がどーのこーのです。 本編のどっかに捩じ込んだようなif話なので、大団円まではまだかかります。 とりあえず、ガイアとヘンリーの絆を…! 結果的には他のキャラの色んな絆も混じってますが。 このままヘンリーに何も無く大団円まで行けるかどうかは…ガイア次第な?感じで…。 EDは本編と同じになるーて、つもりで書いてみましたが…。さて、どうでしょうか…。 ここまでお付き合いいただき有り難うございました。 よろしければ、後日談も合わせてお読みください。 少しでも、気に入ってくだされば幸いでございます。 相変わらずアレな作文ですが…。 小説と呼べる日は来るんでしょうかね…(遠い目 後日談に続きます>>内容は無いです。幸せだな〜な日常に戻ったよーな、雰囲気を感じて頂ければ…。 UP |