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FireEmblem 覚醒:希望に咲く闇 One編 3
絵と文とか

FireEmblem覚醒

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<3話目>
※18歳未満閲覧禁止。
描写は短く軽いですが、やってる事はやってるので…。




―数日後―



「へっぷし!」
天幕に入ると同時に、盛大なクシャミが奥から聞こえてきた。
「風邪か?」
寝台に腰掛け、心配そうにヘンリーの顔を覗く。
「大丈夫か?」
「うん、平気だよ〜」
いつもの笑顔にホッとし、持っていたマグカップを差し出す。
「ほら、牛乳。温まるぞ」
「ありがとう〜」
温まったマグカップを両手で持ち、ふぅっと息を吹きかけ口にする。
少しずつ飲むヘンリーの顔をガイアはじっと見つめた。
「寒くないか?」
「うん、大丈夫。ゴメンね、心配かけて…」
「いや、無事で良かったよ」
そう言って頬に触れる。
海水から引き上げた時は冷たく生気を感じなかったが、今はしっかりと体温を感じる。
助かって良かったと、本当に心の底から思う。
「どうして飛び降りたんだ?」
「ルフレの側に居ちゃいけないと思ったから」
「それは聞いた。その理由だよ」
「理由は…」
…邪痕、忌まわしき子。そして、無駄だと笑うペレジアの王。
頭の中で記憶が次々と巡り、そのすべてが要らない存在だと証明してくる…。
「ルフレを苦しめるからだよ。僕が近くに居るとルフレが壊れちゃうみたいだから…。ファウダーはそれを望んでるんだ」
「姉弟だからか…。だが、父親が一緒だってだけだろ?」
「えっと…ガイアは僕の火傷の痕、知ってるよね?」
「ああ、左腰にあるヤツだろ?」
一緒に寝てれば気づかない訳がない。一度も訊いた事はなかったが触れた事はある。それは、白い肌に合わない赤黒い痕で痛々しく、抱いた時はいつも優しく撫 でていた。
確かに普通の火傷の痕とは少し違うなと感じてはいたが…。
「あれは、母親に付けられた痕なんだよ。ファウダーから逃げるのに、この痕が邪魔だったんだろうね」
「親に焼かれたのか…」
「結局は痕が消えなくて捨てられちゃったんだけど〜」
親に捨てられたとは聞いていたが、詳しく訊いた事はなかった。
ヘンリーの母親は自分のために子供を捨てたのか…。
「邪痕を消すためだって言ってた。でも消えないから捨てたって、施設の人が教えてくれたんだ」
「邪痕か…。ルフレにもあるのか?」
「うん、あるよ〜。その力は僕の比なんかじゃないよ。邪竜の器はルフレだってファウダーが言ってたからね」
「器か…。じゃあ、弟のお前はギムレー復活の媒体、その血を増幅させる力的な何かがある存在…て、ところか」
口に出しては言えないが、生け贄という可能性もなくはないだろう。
「そんな感じかな〜?」
「ギムレー復活の近道になる可能性があると考えてよさそうだな」
詳しい事は分からないままだが、ギムレー復活の手助けとなる存在だという事は何となく分かった。
そしてクロムの周りにはクセのある奴ばかり集まって来るなと改めて思う…。
「うん、だから僕はルフレの近くに居ちゃいけないんだよ」
「もしそうなら、お前が居ても状況は変わらないと俺は思う」
「どうして?」
「お前はルフレじゃないからだ」
飲み終わったカップをヘンリーの手から離しテーブルの上に置く。
そのガイアの手を目で追いながら、ヘンリーは首を傾げた。
「どういう意味?」
「そのまんまの意味だよ。お前が居なくてもギムレーは存在する。どっちみち何とかしなければいけないんだ。お前だって、そう思ったからイーリスに来たんだろ?」
「最初はそう思ってたけど…、でもそんな簡単な事じゃなかったんだ。僕が側にいてもルフレを守れないって分かったから…」
「まあ、ちょっと難易度が上がるくらいだろ?お前が居なくなるよりマシだ」
そう言って抱き寄せ、唇を重ねる。

「ずっと、側に居ろよ」
止めどない話しに終止符を打ち、優しくヘンリーの身体を組み敷いた。

白い肌にキスをし、一糸纏わぬ姿を上から眺める。
薄暗い天幕の中でもヘンリーの肌は、微かに差し込む月明かりが反射して、何とも言えない色っぽさを醸し出す。
その肌は見た目通りの触り心地で、つい夢中になって手を這わせ撫で回した。
「ん…」
「痛むか?」
なめらかな肌から、少しざらつきのある感触に変わり、一瞬手を止める。
もう慣れてしまった感触だが、今日は話しを聞いたせいか、その痕がいつもより辛く感じた。
「平気…」
「そうか」
そして、いつものように優しく撫でてやると、身をよじり苦しそうな声を上げる。
「ぅ…く」
「本当に平気か?」
心配になり撫でる手を止め、ヘンリーの顔色を伺う。
「ガ、イア…、やめないで、続けて…」
「辛いんじゃないのか?」
「大丈夫だから、抱いて…」
「…」
痕から手を離すと、少し模様?が浮き上がっているのに気づく。
火傷の痕とは違う、規則正しく並んだ幾何学的なそれは、邪痕だろうとすぐ分かった。
ヘンリーは焼いても消えないから親に捨てられたと言っていたが、今までその邪痕というのを目にした事がなかった。
月日が経ち、薄れてしまったのだろうと、勝手に思っていたが…。
「ガイア…」
「ん、ああ…。すまない」
名前を呼ばれ、我に返る。
首に手を回し求めてくるヘンリーに、邪痕の事は口にせず、強く抱きしめ行為を再開させた。
いつもより情熱的に求められ、病み上がりだなんて事を忘れてしまう。

「…ヘンリー」
耳元に唇を寄せ、熱のこもった声で名前を呼び、執拗に愛撫する。
痕の痛みを打ち消すほどの快楽に、苦痛まじりだったヘンリーの声は艶っぽく変わる。
ゆっくり脚を開かせ、既に濡れてしまっている中心を指で拭い、優しく後ろの窪みに触れ、少しずつ穴に指を入れていく。
指の数を増やし、中から刺激を与えてやると、ヘンリーの身体は大きく跳ねた。
何度も指を往復させ温められたそこは、無意識に刺激を求めて指を締め付け、ヘンリーは切なそうな声を上げる。
もう平気かと、慣らしたそこに下半身を進め、自身を挿入していく。
「あっ、ん…」
少しずつ腰を進めながら、頭や頬を優しく撫でキスをし、根元までぐっと中に収め、ゆっくり下半身を上下に動かし始める…。
「ああ、あぁっ!!」
何度も突き上げ絶頂の時を二人で迎え、ガイアは欲望をすべてヘンリーの中に放つ。
そしてヘンリーも…。

「…ありがとう、ガイア」
「なんで礼を言うんだよ?」
訊くガイアに、ヘンリーは何も言わず微笑んでみせる。
そして、ポンポンと枕を叩いて腕枕を催促した。
「うでまくら〜」
「たく、しょうがないな…」
腕を布団から出し頭の下に入れてやると、満足そうにヘンリーは眠りについた。
幸せそうなヘンリーの寝顔に触れ、まあいいかと呟きガイアは目を閉じる。
ずっと側に居てくれれば良いんだ。
それだけで良い。




「ガイア、ごめんね…」

微かに声が聞こえた。
なんで謝ってるんだ?

ヘンリー…


「…ヘンリー?」

呼んでみるが返事がなく、隣に気配を感じない。
起き上がって布団の中を覗いてみるがヘンリーの姿は何処にもなく、触れたシーツに温もりだけが残っていた。
「まだ近いな…」


ガイアは素早く衣服を身に着け、急いで天幕を後にした。






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つづく

ガイアとヘンリーだけの3話目です。
という事で18禁です?
15にしようと思っていたのですが…、一応念のため。

※先祖帰りかも?じゃなくなった(笑)そんな3話めです。

4話目に続きます>>

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