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FireEmblem 覚醒:フェリアにて 完結。
絵と文とか

FireEmblem覚醒

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フェリアにて。の3話目後半。完結です。
一応ナニしてるので18歳未満閲覧禁止です。




なめらかな肌の感触を確かめながら、服の中に手を滑らせ一枚一枚丁寧に脱がせていく…。
全ての衣服を床に落とし、冷えきったヘンリーの身体に舌を這わす。ガイア自身は熱く、丁度いい水枕のようだった。
身体の中から更に熱くなるモノを感じるが、身体は冷たさを求めて動き、ヘンリーの冷えた頬から胸、腰から腹へと熱い舌を移動させた。
「あ…、ガイア、熱い…。だいじょうぶ?」
ヘンリーの冷たかった身体も徐々に温められ、気持ちのいい温もりから次第に熱さを感じ、熱のこもった吐息が漏れ始める。
ガイアからの返事はなく、熱い舌を這わせ続けヘンリーの中心に到達に、そのまま止まる事なく口に含む。
「っ!あ、や…」
最初に熱さで驚き、少し遅れて身体がやらしく反応する。
中心は既に熱を帯びていたが、ガイアによってもっと熱せられていくのが分かった。
「あぁ、あ…」
熱さのせいなのか、身体はいつもより敏感に反応してしまい、心配なガイアの身体を気遣う言葉が口から出てこなくなる。
執拗に舐め回され、吸われ、何が熱いかなんて、もう分からない。
快楽がどんどん押し寄せてきて、気遣いなんて言葉は何処かへ行き、身体は欲望を解放するため動きだした。
先の方を舌で押したり、何度も唇や舌で楽しみながら、口内で勃っているそれを行き来する。
裏側に舌を強く押しあて根元から先端へ移動し、吸うように口を動かす。そして、もう一度根元まで一気にくわえ吸いあげた。
「あぁっ!!」
我慢の限界に達し、身体はビクンっと脈を打ち、全てを解放してしまう。
その余韻が残る頭で、欲望をガイアの口内に放った事を理解し、ヘンリーはとっさに顔色を伺う。
ガイアはヘンリーの心配を他所に、欲望を放ったそれを見つめたまま、小さく喉を動かした。
「あ…、熱あるのに…」
飲んでしまったのが分かり、心配で声をかける。恥ずかしさも、もちろんあったが、それよりガイアの体調が心配だった。
「…、喉が渇いてたんだよ」
「え、えええ?水、持ってきてあげたのに…。そんなの飲まないでよ…」
そんなので喉が潤うのか?具合は悪くならないのかと、ヘンリーはガイアを心配そうに見つめた。
「気にするな」
言いながらガイアは身体を起こして、寝台の脇にあった袋に手をかける。
やっぱり具合が悪くなって、何か薬的な物を出すのだろうか。
袋から出てきた物は小さな瓶で、確かに薬とも言えなくはない代物だった。その中には黄金色の液体が入っていて、横にするとトロミがあるのが分かった。
「蜂蜜?」
「ああ、ちょっと喉がな」
「大丈夫?」
「これがあれば平気だ」
ガイアは小瓶の蓋を開けて、指ですくい取る。
「気温が低いせいで堅いな…」
蜂蜜を手にするガイアをヘンリーはじっと見つめていた。口に出す勇気はないが、行為はココまでなのかと、つい考えてしまう。
「まあ、体温で溶けるな。ヘンリーもいるか?」
「うん…」
小さく返事をすると、ガイアは指に取った蜂蜜をヘンリーの口に近づけた。
「ほら」
言われて、指をくわえて蜂蜜を味わう。蜂蜜は飴より堅くはないが流れ落ちるほどの柔らかさもなく、指から全てを舐めとるのは難しいが、どうにか舌で温めて味わう。
その姿を何とも言えない表情でガイアは眺めていた。
「…。なんか、やらしいな…」
「え〜?」
そんなつもりはなかったのにと、ヘンリーは頬を赤らめ困った顔をした。
恥ずかしくなり蜂蜜を舐めるのをやめたヘンリーにガイアは優しく微笑み顔を寄せキスをする。
「甘いな」
「蜂蜜がまだ口の中に残ってるから…」
「ヤバイ、甘い物がもっと欲しく…」
「あはは、良いよ〜。蜂蜜とかお菓子でも食べよう」
恥ずかしい気持ちはまだあったが、やっぱりガイアだなあと笑い、行為はココまでなんだなと確信した。
「いや、やめないぞ?」
「え?」
「本気で風邪うつすからな」
蜂蜜の瓶を片手に、ガイアはヘンリーの上に覆いかぶさった。
「急にどうしたの…?」
あんなに風邪をうつすのを躊躇っていたのにと、ヘンリーは不安な表情でガイアを見つめた。
「別に急じゃない。やっぱり今回は離れるのが心配だからな。一緒に居てやりたいと思っただけだよ」
「ガイア…」

「あ…」
まだ余韻が残っているのか、少し触れられただけで身体は過剰に反応する。
身体の火照りもまだあったが、やはりガイアの身体はそれ以上に熱かった。
「は、あぁ」
「大丈夫か?」
「ん、あ…つくて…」
「そうか」
そう言いヘンリーの身体を抱き上げて、向かい合わせで自分の上に脚を開かせて座らせた。
「本当に浴室での続きなんだね…」
恥ずかしそうに言うヘンリーに、ガイアは蜂蜜の小瓶を見せる。
「コレは無かっただろ?熱いんなら、ちょっと冷やそうか」
ヘンリーにしっかり首に手を回しておくように言い、ガイアはヘンリーから手を離して小瓶の蓋をあけた。
蓋を床に捨て、小瓶の中の蜂蜜を指にめいっぱい絡めとる。
そして、その指はヘンリーの尻を割って押し進め、窪みに蜂蜜を撫で付けた。
「っっっ!」
いきなりの冷たい感触に、身体が跳ね言葉にならない声を発する。
そのままガイアの指は窪みの周りを撫で回し、蜂蜜は次第に温められ柔らかくなり、ぬるりとした感触に変わる。
蜂蜜のおかげで指は滑るように動き、抵抗無く窪みの中心へ導かれた。
「あぁ…」
ぬるっとした蜂蜜の感触と指が穴を行き来する粘着質なやらしい音に、どうにもならない快楽と羞恥心が身体を襲う。
なんとか理性を保とうとガイアにしがみついて我慢をするが、身体が勝手に反応し腰が動く。
「辛いか?」
ガイアに訊かれ、無意識に首を振る。辛いと言いたかったのに刺激を求める身体に理性が負けてしまい、口から言葉は出てこなかった。
黙っていると座った姿勢から四つん這いになるよう、手で身体を動かされ体勢を変えられてしまう。
「や…」
その姿勢が恥ずかしく抵抗しようとするが、ガイアの手はしっかり腰を掴んでおり、動く事は出来なかった。
次に何をされるか想像しヘンリーは枕に顔を埋めて覚悟を決めたが、ガイアはヘンリーの予想を外し先ほどの蜂蜜を塗った場所に指より熱く柔らかいモノを押しあててきた。
それは指と違って湿り気を帯び、蜂蜜のぬめる音と合わさって、何とも言えない卑猥な音を立てた。
ガイアの両手は腰を掴んだままで、顔は太股の間にある。指ではなく何でいじられてるのか嫌でも分かってしまい、頭の中は羞恥心で一杯になってしまう。
「やぁ、あん…」
羞恥心で一杯だった頭は刺激を与えられるたびに真っ白になっていき、次第に快楽が全てを支配し始める。
執拗に舌で攻められ、それだけで達してしまいそうになる下半身を力いっぱい手でシーツを握り込む事で我慢した。
いつまでも舌を入れたり抜いたり舐めたりを繰り返し、なかなか離そうとしないガイアにヘンリーは我慢の限界を感じて言葉にならない声で抗議をする。
「もう、や、はっ…、な…」
その言葉が届いたかどうか、聞き取れたかも理解出来たかも謎だが、ガイアは舌を抜き顔を上げた。
後ろから離した唇は背筋をなぞってうなじまで進み、首筋にキスを降らす。
やっと絶え間なく押し寄せてきた強い刺激から解放され、ヘンリーは小さく息を吐いた。
だが、すぐ下半身に刺激が走り、身体が仰け反る。
「はっ…ん」
下半身に冷たい感触がして、また蜂蜜を塗られた事が分かった。
ただ今度は、すぐ指が数本ぬるっと蜂蜜と一緒に入ってきて、躊躇う事なく中を掻き回す。
「ああぁ!」
いきなり激しく動かされ、我慢出来なくなった声が漏れてしまう。
何本指を入れられてるか分からないがバラバラに動かされて、蜂蜜のぬめる嫌な音が耳に入ってくる。
「っ…」
必死に枕に突っ伏して耐えるが中のある一点を押されて、足先から頭の天辺まで電撃が走るような刺激が突き抜けていった。
休む間も与えず、その一点を集中して攻めたてるとヘンリーの身体は刺激に耐えられず、びくびくと痙攣を起こす。
「あ、ぁ…」
そのまま少し指の動きが止まり、中に指を感じつつ快楽の余韻に浸る…。
程なくして指が抜かれ、指や舌より…、もっと熱く質量のあるガイア自身が押しあてられ、暖められたソコは何の抵抗も無く受け入れていった。
「う…」
どんどん奥まで入っていき、指では届かなかった所まで到達する。
「声、出せよ。少しは楽になるから」
ほぼ無言だったガイアに声をかけられ頷く。
「力も抜けよ」
もう一度ヘンリーは頷く。
「だから、声…。まあ、返事は良いか…」
そう言って頭を優しく撫で、両手をヘンリーの腰にあて直し、さらに奥まで自身を進めて身体を隙間なく密着させる。
少し手の位置を腰から脚の付け根の方に移動させ、しっかり掴んで動き出した。
「ああっ、あぁ!」
熱を帯びたガイアの中心が、奥から穴の入り口までを往復する。
最初はされるがままに抜き差しされていたが、無意識に腰の動きに合わせて結合部位の締緩を繰り返し、いっそうの快楽を求めた。
「あ、ぅ…」
快楽に身を委ねていると、入れたまま仰向けにされる。ヘンリーは不意をつかれ、少し苦痛な声を漏らした。
強引に向きを変えられ脚を膝が胸につくくらいまで折りたたまれたが、その脚を肩に担ぎ直し結合部位に上から体重をのせる。
ガイアの体重で先ほどよりもっと奥へ入ってくるのが分かった。
「もぅ、…な…いよ…」
「あぁ」
ヘンリーが何を言ったか分かって返事をしているのか、相変わらず謎だがガイアは腰を動かし始める。
「あ、ああ!」
最奥から一度抜き、また奥まで突く。何度も繰り返しヘンリーの下半身もそれに合わせて動き、快楽の波に飲まれていく。
「はあ、ああ…」
声は次第に絶え間なく漏れ、激しく動く下半身に欲望をのせ、快楽は絶頂を迎えようとしていた。
「ああ、あ…ガイ、ア…ッ、あぁっ!」
「ッッっ!」
もう限界だと名前を呼んだ矢先に思いっきり最奥まで突かれ、中に欲望を放たれてしまう。
その熱い欲望が勢いよく更に身体の奥まで進み快楽は許容範囲を超え、ヘンリー自身も外へ欲望を放出した。
「はぁ…」
そのまま位置を入れ替えて、ガイアはヘンリーを抱きしめ直す。
まだ下は抜かれておらず、少し身体が動くたびに結合部位が反応して力が入ってしまい、感じてしまう。
満足げに、そんなヘンリーの様子を眺めて、ゆっくりと少しずつ繋がっている部位を抜く。
控えめな吐息を漏らし力の入らなくなった身体をガイアに委ね、心地よい余韻に浸りながらヘンリーの意識は遠のいていった…。
「ん…、まさか気を失ったのか?」
少し心配になったが、幸せそうな寝顔にホッとする。
眠ってしまったヘンリーの身体を抱き寄せ、ガイアはもう少しだけ快楽の余韻を楽しんだ。

程よく時間が過ぎ、ガイアは余韻とは違う怠さを感じて、自分の風邪が悪化している事に気づいた。
「うつったか?もう祈るしかないが…」
仮病を使えれば一番良いのだが、そんな器用な事が出来る奴だとも思えない。
ブツブツと独り言を呟きながら、微かな寝息を立てているヘンリーの顔色を伺う。
普段から血色の良い肌はしておらず、風邪がうつったかどうかなんてサッパリ分からない。
行為をしたばかりだと自分に言聞かせ、優しくヘンリーの前髪を指で梳いた。
「はあ、やっぱり、この怠さは悪化してるよな…。本当にうつったか?これ…」
風邪をうつすと楽になる。…そんな事は迷信でしかないが、つい気になってしまう。
頭の中でグルグルと考え、熱がさらに上昇してしまう。
「…寝よう」
これは駄目だと一言呟き、もう水枕のような冷たさのないヘンリーの身体を抱きしめ眠りについた。




翌朝。

コンコン。
「ガイアー!?起きてるー?風邪はどうー?」
扉の向こうで聞き慣れた声がする。この声はルフレだろう。
「ガイアー?朝食と薬、持ってきたわよー?部屋に入って良いー?」
「!!??」
ルフレが扉の向こう側に居るな…程度で寝台から聞き耳を立てていたが、ぼんやりと今の状況を把握し、ハッと飛び起き慌てて服を掴む。
「ま、待て!!入ってく…ゲフゴッ。なっ!!」
「大丈夫?声、酷いわよー?」
「あ、ああ。ちょっと待っててくれ…」
急いで服を着て、寝ているヘンリーを起こし、小声で話しかける。
「ヘンリー、おはよう。起きれるか?今、そこにルフレがいる。とりあえず、すぐ着替えろ」
「ん…、おは…」
身体を起こして挨拶をするが、殆ど声が出ていない。
「だ、大丈夫か?声…」
「う、ケホ」
「と、とりあえず、着替えろ」
もそもそと動くヘンリーを見守っていたが、動作が遅くガイアの焦りが増していく。
「手伝う」
短く言って、手際良く服を着せる。複雑な装束ではあるが何度も脱がした経験があり、器用なガイアには難なく着せる事が出来た。
ヘンリーが自分でするより早く服を着させられ、具合の悪さが分かる。
立たせておくのが心配になり、寝台に座ってろと手で指示し、ガイアは急いで扉に向かった。
「遅くなって、すまない…」
「本当に遅いわよー。その調子じゃ、治ってなさそうね…」
「あ、ああ…」
ルフレはガイアに朝食と薬の乗ったトレーを渡す。
受け取りながらガイアは、気まずそうに口を開いた。
「えーと、ルフレすまないんだが…。もう一人分お願い出来ないか…」
「…」
もともと機嫌は良さそうではなかったが、ガイアの予想以上の早さで雷は落ちた。
「だから言ったじゃない!?ヘンリーは何処?朝食を食べに来てなかったわよね?これから明日の説明を広間でするんだけど。もう一人分ってヘンリーのよね?薬も必要なの?それって風邪を引いたって事??隣の部屋に居ないようだったけど、逃げたのかしら?!」
「そ、そんな一気に言わないでくれ。反省はしてるから…。それとヘンリーならココにいる。俺の体調を心配して、朝早く様子を見に来てくれたんだ…」
最後の下りは、もちろん嘘だ。本当の事は言えるはずもなく…、もし口が滑ったりしたら、ルフレの怒りは雷が落ちるぐらいじゃ済まないだろう。
「昨日どれだけ忠告したと思ってるのよ!?」
「ごめ、…ルフゲッフコフ…レ…」
「るふげ…、ガイアよりヒドイんじゃないの…。ああっもう、もっと討伐に人員割いてもらうんだったわ…」
「ルフゲ、ごめ、げふ」
「るふげはもういいから、喋らないでヘンリー。喉、悪化するわよ」
ルフレは大きな溜め息をついた。
「本当にすまない…。このまま討伐に参加しても良いんだが」
「駄目よ。風邪をこじらせたらどうするの?討伐だって戦争と同じ、ちょっとしたミスが命取りになる場合だってあるのよ」
ルフレの説教は続く…。
軍師としての立場もあり、兵の命を預かる身として軽率な行動に激怒するのも分かる。そして、心配してくれている事も…。
反論する立場でもなく、ガイアは耳に痛い説教を黙って聞いていた。

「なに、騒いでるんだい?」
「フラヴィア様、良い所に…」
「また、この面子かい?」
やれやれとフラヴィアは腕を組み、三人の方へ近づいてきた。
「で、今度はどうしたんだい?」
「風邪、引きました…」
言いながらルフレはヘンリーの方へ視線を移す。
「おやまあ、症状は?」
「ガイアより悪そうです…」
ルフレが簡潔に言うと、フラヴィアは少し含み笑いをしてから呆れた表情をみせた。
「しょうがないね。バジーリオを連れて行きな。話しは昨日のうちに通してある」
「ええ?随分、手回しが早いですね…」
「ふふん。出来る女は二手三手と先を読み、策をめいっぱい用意しておくもんさ」
「…見習います」
「ははは!あんたは十分、出来る女だよ!これから軍事会議だろ?バジーリオにも声をかけてやっておくれよ。こっちは気にしないで良い、私に任せな」
「フラヴィア様…、有り難うございます。ガイア、ヘンリー、ちゃんと言う事きくのよ?良いわね!」
ルフレは最後にフラヴィアに向け一礼し、その場を離れて行った。
「はあ、本当に母親みたいなヤツだな…」
「はは、世話の焼ける子供達だねえ?」
やれやれと溜め息をつくガイアにフラヴィアはサッパリとした口調で皮肉を言った。
「で、何か必要な物はあるかい?使用人に持ってこさせるよ」
「あ、ああ。ルフレには言ったんだが、コイツの朝食と薬を…。あと熱もあるみたいだから、水枕かなんかも持ってきてもらえると助かる」
「了解。あんたは大丈夫なのかい?熱、あるんだろ?」
「ん、まあ…、俺は昨夜より楽だからな…」
フーンとフラヴィアは納得し、話しを続ける。
「まあ、二つ用意させるよ。それと使用人の手間を省いてやりたいから、一つの部屋に纏まって居てくれたら助かるんだけどね」
「ん…、寝台をどっかからか持ってくれば良いのか?」
病人使いが荒いなと頭の中で愚痴り、面倒くさそうな表情を無意識にしてしまう。
「おや、その寝台は二人で寝るのには狭かったかい?」
「あぁ、いや。十分な広さだった…。って、いやっ!?し、知らないが、多分…っだぞ?」
フラヴィアの問いかけに、つい素直に答えてしまい、平常心を失ってしまう。
「あははは。素直で良いねえ?素直な盗賊なんて貴重だよ。ま、聞かなかった事にするよ。それじゃあ使用人に持ってこさせるから、ゆっくり休んでな」
豪快に笑いながらフラヴィアは部屋の扉を閉めて姿を消した。
足音が聞こえなくなるのを確認し、ガイアはその場にしゃがみ込んでしまう。
「…。東の王は侮れないな…」
ルフレにではなくフラヴィアに感づかれるとは想定外だったと、ガイアは項垂れた。
「だいじょうぶ?」
咳まじりに声をかけヘンリーはガイアの隣にしゃがみ、心配そうに顔を覗き込む。
「大丈夫だ。別に具合が悪くて、しゃがんだんじゃないから…」
言ってガイアは立ち上がった。だがヘンリーはしゃがんだまま上を向き、まだ見つめている。
「立てるか?」
声をかけたが返事を聞くより先に抱きかかえて、さっさと寝台まで運ぶ。いつ使用人が来るか分からず、急いで寝る準備を整えるためだ。
「えーと、寝間着が必要だな。それじゃ楽になれないだろ。取ってきてやるから待ってろ。つーか、何処にある?」
「寝台の、上…ゴホコフ」
「…休んでろよ」
布団を頭からかけてやり、隣の部屋に向かった。


寝間着を取ってきて、着替えるのを手伝ってやる。
「大丈夫か?こんなに酷くなるなんて昨夜より前から風邪気味だったんじゃないのか…?」
周りが気づかなかっただけで、本当はフェリアに着いた時点で風邪を引いていたんじゃないかと思う。
コイツは普段から笑顔で、体調や心情が分かりづらいところがある。だが、それだけではなく、隠している…そんな印象もあった。
もし既に風邪気味だったのなら、今の症状は風邪をこじらせたと説明がつく。
フェリアに来てからの情緒不安定な部分だって、風邪のせいだと言えなくはない。ペレジアでの過去は確かに想像を絶する酷いものだっただろうが…。
どれもこれも仮説でしかないが、一晩でこんなに酷くなるモノなのかという疑問もあった。
「まあ、考えてもしょうがないか…。討伐から戻ってくるまでに何とか良くしとかないとな」
とりあえずは離れずにすんだのだから良しとしよう。
そう考える事にし、ガイアは適当に着替えて寝台に潜った。
「使用人が来たら起こしてやるから寝てろよ」
ヘンリーは頷いて、ガイアの肩に頭を寄せて眠りにつく。

接触してる部分が熱く、ゆっくり額に頭を寄せて体温を確認する。
「熱いな…」

軍が討伐を成功させ、フェリアからイーリスへ戻る頃には治っているだろうか?
もし治っていなければ…、お決まりのルフレの説教をくらうだろう。だからといって、すぐ治るとも思えないが…。

完治しないからとフェリアに残し、後日勝手に戻ってこい。そんな危険で薄情な事は怒りのルフレでも流石にしない。と、思う…。
特に切羽詰まった予定がなければ、滞在期間を延ばすのではないかと予想出来る。
二人を置いて先に戻らなければならない理由があるとすれば、イーリスが攻め込まれた時ぐらいだろう。
そんな最悪の事態が起きる可能性は極めて低く、戦力の大半はイーリスで待機している。
ならば、ゆっくり療養させてもらうのが得策だ。

そう、ゆっくり。


ゆっくりと、二人だけの時間を堪能しよう…。





ーーーーーー
おわり。

長くて…、最後まで読んで頂き有り難うございます。
3が2以上に長くなってしまい、どこで切るかで凄い悩みました。
禁の所は禁だけで隔離したかったんですが…、そうすると2の方も隔離しないと?と思ったので、やめてしまいました。

内容の方は…雪遊びが書きたいだけだったのに、後半は別モノになってます。
気のせいか、ナニも長い気が…。
そのナニですが、ナニナニ言ってるように、名称は書かないように頑張りました。
なんでしょう、書きたくないというか曖昧が個人的には良いんです。
分かりにくいくらいが丁度いい…。色々と想像して頂ければ…無理ですか…。
読むのは何でも読むんですが!

ナニじゃない部分では…、ルフレが怒りっぽいですね。カルシウム不足?
フラヴィアは野生の勘を持っている人だと思います。

ルフレとガイア、ヘンリー以外に誰々が討伐に来ているのか…。
クロムとリズが居ない雰囲気は漂っているよーな気がしますが、まったく考えてなく…。
誰も出てきませんが、ガイアとヘンリーが離脱したからって、ルフレとバジーリオだけですって事はありません。ハイ…。

あとがきも長めですが…いいわけというヤツですね。
ながいながーい作文に、お付き合いしていただき有り難うございました。
誤字脱字は…(以下略

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