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銀 魂:凸凹の悪戯
絵と文とか

銀魂

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デコボッコ神。
月雄と総子です。



闇夜に咲く三千の輝き。眠る事を忘れた地、吉原…。

「良い眺めだな…」
そう言いキセルを吹かす男が一人。窓に腰掛け、吉原の夜を見下ろす。
「吉原の夜景が似合いますねィ」
男に声をかけたのは女だったが、布団も敷いておらず、吉原の一室…という雰囲気はない。
あるのは盆にのった酒だけだ。
「お前も板についてるじゃないか」
「いやあ、月雄さん程じゃないですよ」
「そうかい?儲かってるんだろ?」
夜景から目を離し、女の方を見る。
「ぼちぼちですねィ。あんただって、夜王に君臨してウハウハじゃねェですかィ?」
「いや、別に儲けのためじゃないさ」
「根っからの…て、ヤツですかね。ウチのもんが一杯世話になってるよーで」
X子は少しは痩せたかな〜と小さく呟き、出された酒を口にする。
「お前みたいのが稀だろ。相変わらず手すら握らせてないんだって?」
「男の汚ねぇトコロは知り尽くしてるんでね。触りたくもねーや」
もとが男なのだから、野郎に手を握られて嬉しい訳がない。
「勿体ねーな」
「お互い様じゃないですかね?」
「俺は十分楽しんでるよ」
「あれ?月雄さんは童貞じゃないんですかィ?」
男の月雄だから訊ける事で、女の月詠には訊けない事だ。処女ではないと思うが、口に出して言える事ではない。
「ど、どう?そんな可愛いツラして何言って…」
「らしくないですぜ、なに動揺してんで?」
「う、うるさいっ!」
ハイスペック男子の恥じらう姿は、なかなか予想外でこれはこれでアリかもと思ってしまう。
「どうです?ちょっくら、使ってみやせんかね?この身体」
「良いのか?汚ねー男には触られたくないんだろ?」
すぐ恥じらいの表情は消え、ハイスペックな月雄に戻る。
無理をしているのか、それともこっちが素になってしまっているのか…、女の時とは全く違う態度が面白くて興味深い。
「あんたは汚れの知らない、おぼこ女だろ」
「いや…」
「ああ、そっか。銀子さんが良かったですかね?」
そういえば、ツッキーは旦那にホの字だったなと、つい旦那の名前を口に出してしまう。しかも、女名でだ。
「違う、銀時は…」
「なんだかんだでやっぱり、あんたは女…か。旦那が気になりますかい?」
そして返ってきた旦那の名前は、まんま男の名前。やっぱり、無理をしていたのかと、思ってしまう。
「お前こそ、銀時の方が良いんじゃないのか?」
「あれ?いつそんな事言いましたっけ?」
「先に銀子と言ってきたのは、お前だろ」
「やっぱ、女は勘が良いですねィ」
無理してんだろ?と、少し嫌みを口にする。
「今は男だ」
「俺は女ですぜ」
だが、迷いもなく男と言ってくる。なら負けじと、女だと返す。
「…」
「本当の男になってみやすかィ?」
勝敗を決める事じゃないが、無言になったハイスペック男子を見て、ニヤリとしてみせる。
「本気か?」
「勿体ないじゃないですかィ。堪能してみやしょーや、この身体を」
そう言い、相手の首に手を回す。
嫌がる素振りを見せないのは…無理をしているのか、それとも…



「一夜限りの夢は如何ですかィ?」


夢ならば覚める前にと偽りの性が急かしてくる。
もう一生無い事だろうと思えば思うほど求めてしまうのは、人間の性ってヤツだろうか…?




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おわり。

最後は、「偽りのセイ」と「人間のサガ」です。
ああ、月雄カッコイイーな〜とか思ってたら、こんな妄想をしてしまっていました…。
なんで、銀子さんじゃなくて、総子なのか…。
短い話しですが、誤字脱字は〜(以下略

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