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FireEmblem 覚醒:惚れた腫れたのエトセトラ 後編 |
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後編です。 午後は過ぎているが、まだ夕飯までは時間がある。 菓子を食べるには丁度いい時間帯だ。 ソールと別れ、ガイアとヘンリーは天幕に着く。 そして入って直ぐガイアは席に腰を下ろす事なくヘンリーを抱き寄せる。 「ガイア?」 菓子を食べるものだとばかり思っていたヘンリーは腕の中で首を傾げ、ガイアはその首筋にキスをした。 「ん、どうしたの…?」 「変なんだ…。その、身体が熱くて…」 首筋から少し唇を離して、熱のこもった声でガイアは言う。 「風邪?」 「いや、そう言うんじゃなくて、貰った弁当を食べてから欲情してるというか…」 「え〜?」 欲情と言われ、ヘンリーは少し腕の中で身体を仰け反らせる。 菓子を食べながらピクニックの話をと健全な事を考えていたのに、ガイアの口から出た言葉は真逆で不健全なモノだった。 「ヘンリー、駄目か?」 「駄目っていうか…、誰から貰ったの?」 耳元でガイアは熱い吐息を漏らす。その息からも求められている事が分かる。だが、何があったのかと警戒せずにはいられない。 それに日は高く夜はまだ遠い、誰かが天幕の前を通らないとは言いきれない時間帯だ。 「ルフレだ」 「ルフレが作ったの?」 「いや、違うらしい」 「じゃあ、サーリャだね」 ハッキリとした口調でヘンリーは言う。 そこまで考えていなかったガイアは、ヘンリーの首から顔を離した。 「なに?」 「媚薬とか、それに近い効果のある呪いだと思うよ。ルフレが持っていた弁当なら、サーリャの確率が一番高いよ〜」 「確かにそうだな…。はあ、またアイツか…」 今までの散々な記憶が頭をよぎる。サーリャが関わった呪いは必ずと言っていいほど、こっちに災難が降り注ぐ。 「ガイア、不注意だよ〜。もしかしてソールも食べたの?」 「ああ、半分以上はアイツが食べた」 「あ〜あ。ソール大丈夫かな?」 「さあな…」 半分は自分のせいだが心配してもしょうがない。 今頃は後ろを振り向き驚いて動揺している頃だろう…。 「そう言えば、ソワレが来てたよね」 「居たな。間違いが起きてなきゃ良いが…」 天幕に向かう前、ソワレと少し目が合った。声をかければよかったのかもしれないが、場の空気が悪くなる言葉しか思いつかず何も言えなかった。 あとは、ソールに限って…と言う気持ちもあり、ソールを信じその場を離れた訳だが…。 「媚薬って、ホレ薬とも言うんだよ」 「ホレ薬か…」 媚薬というと卑猥な感じがするが、ホレ薬というと何か可愛らしい気がする。 だが、呪いだと思うと禍々しいという印象しかない…。 「うん。サーリャはルフレに自分を惚れさせようとしたんだと思うよ」 「相手を自分に欲情させて、惚れたと思わせるんだろ?末恐ろしい女だな…」 やっぱりサーリャはサーリャだ。女相手にやる事が、度を過ぎている。 「だから、ソールはソワレに恋しちゃうかも〜」 「それで済めばいいんだが…、完全にいっちまってたからなあ…ソールのヤツ。手順を間違えなきゃ良いが…、いきなり襲ったら殺されるぞアイツ。相手はあのソワレだからな」 惚れた腫れたは自由だが、欲情だけで突っ走るとソワレに薙ぎ倒されるだろう。力でどうこう出来る相手ではない。いや、女相手にしちゃいけない事だが…。 少しだけソールの事を心配し、ソワレの事も気にかける。ソールに限ってとは思うが、二人だけにしたのはマズかったのかもしれない。 「ねえ、ガイアとソールはずっと一緒に居たよね?」 考え込んでいるとヘンリーが顔を覗き込んできた。 「ああ」 ガイアは目を合わせて頷く。 「…何かしてた?」 「いや?お互いそこまで…まあ、ソールは知らないが、俺はお前の事ばかり考えてたからな」 「本当〜?」 「ヘンリー、俺とソールが何かしていたように見えたか?お前が来たとき、ソールも俺も前屈みで椅子に座っていたハズだぞ」 その光景は珍妙だったと思うが、ヘンリーが心配しているような事はしていない。 「あはは、そうだったかも〜」 「それに俺はソールほど弁当食ってないから、結構余裕はあったんだ」 「ふーん」 興味なさそうな返事をヘンリーはする。 誰がどれほど弁当を食べたかは別にどうでも良い。ヘンリーにとって「二人の間に何も無かった」それだけ分かれば他はどうでも良かった。 「だったんだが、ヘンリーが帰って来て、一気に余裕が無くなっちまった」 「ん、それって弁当のせい?それとも僕?」 「さあな…。取りあえず、もう限界だ…」 言ってギュッとヘンリーを抱きしめる。 「まだ夕飯前だよ〜」 「恨むならサーリャを恨め…」 「ん〜、しょうがないな〜」 寝台の上に移動し、息をつく間もなくキスをし服の中に手を入れる。 限界だと言いながら余裕のある表情をガイアはしていたが、本当に限界だったんだな〜とヘンリーは諦めガイアの背中に腕を回した。 「優しくしてね?」 そう耳元で囁き、ヘンリーはガイアに身を委ねた…。 「ん、ぁ…」 一回だけと思っていた行為は、身体を休める事なく、もう一度繰り返される。 「あ、あぁっ!」 身体の中に熱いモノを感じ二度目の限界を迎え、ガイアの腕の中でヘンリーはゆっくり目を閉じた… はずだったが、すぐガイアは身体に舌を這わせ、再度求めてくる。 「ま、待って…ガイア」 まだガイアの息は熱く、媚薬の効果が持続している事が分かる。 だが、このまま何回繰り返すのだろうと思うと、声をかけずにはいられない。 「…どうした?」 「まだ、するの?御飯食べに行けなくなっちゃう…」 永遠に続きそうな行為に、やんわりと拒否してみせる。 時間は分からなかったが、多分夕時だろう…。 「腹減ったか?」 「ん〜、減ってはいないけど、もう下半身が限界だよ…」 「あと一回…」 そう一言告げて、ガイアは身体を動かす。 「え〜!?」 「飯なら俺が天幕に運んでやるから」 「そう言う問題じゃ…」 媚薬のせいなのか、まったく言葉が通じないガイアに、少し困ってしまう。 強く拒否してしまうのは、呪いが原因なだけに可哀想な気がする。でも、そろそろ自分の身体も労ってもらいたい…。 「後一回で収まる気がする」 「もう限界だってば〜…」 どこにそんな保証があるのかと、ヘンリーは根を上げる。 「もう一度、限界突破してくれ」 「そっちの限界じゃないよ〜…!」 身体も根を上げそうだったが、抱かれて奥を突かれると疲労感は快楽に負けてしまい、すぐガイアを求めてしまう。 三度目の限界を迎え、怠い身体を動かす気になれず、ガイアに抱かれたままヘンリーは不安そうに顔を上げる。 「…どう?」 「ああ、…有り難うな、ヘンリー」 「はあ、良かった…」 ガイアの言葉にヘンリーは安堵の息を漏らす。 ガイアに抱かれるのは嫌いじゃないが、媚薬が原因だと思うと素直に喜べない。そして、いつまで続くのか分からない行為は、少し過酷だな〜と感じた。 だが、ほっとするガイアの表情を見ていると、良かったのかな?とも思えてしまう。 「ごめんな、無理させて…」 「ううん、大丈夫だよ〜。ガイアが他の人と関係持っちゃうの嫌だから、そんなの僕は耐えられないよ」 「するわけないだろ…、お前の事しか考えてないからな」 微笑んでガイアはヘンリーの頭を撫でる。 だが、ヘンリーは不安な表情を覗かせ、ガイアの顔をじっと見つめた。 「ソールは?」 「ん〜…、確かにあのままヘンリーやソワレが来なかったら、どうなってたかは想像したくないが…」 訊かれてガイアは唸る。 自分の事ばかりでソールの事は殆ど考えていなかった訳だが、ヘンリーに言われてどうだったろうかと考える。 「二人で弁当を食べたのに、どうして何も無かったの?」 「だから、俺がお前の事で頭が一杯だったからだろ?」 「なんか危険だね」 「いや、何も無かったんだ。問題ないだろ?」 危険と言われても、自分がか?それともソールがか?そこから既に分からない。 分かる事はただ一つで、早く自分はヘンリーと…それしか頭の中に無かったって事だけだ。 「うん、ちょっと心配だったんだ。ガイアは僕だけのモノだからね〜」 「可愛いこと言ってくれるな」 ヘンリーの言葉に、つい顔が緩む。 そして「ヘンリーは自分のモノだ」と聞こえるかどうか分からないくらいの声で囁き、耳元に唇を寄せた。 「あっ、ん…、もう媚薬は切れたんじゃ…?」 「これは媚薬じゃない。お前の台詞が原因だ」 「でも、限界だよ〜…」 ヘンリーにとってもガイアの言葉は嬉しいが、これ以上行為を繰り返すのは流石に厳しいと身体が訴えてくる。 「一緒に限界を超えてやるよ」 「だからそっちじゃないってば〜…」 ヘンリーは何度目かの根を上げる。 ガイアの耳にももちろん届いているだろうが、根を上げるヘンリーの口を自らの口で塞ぎ抱き寄せる。 ヘンリーの身体に手をはわせ、どんどん快楽の中へ引きずり込んでいく… いつしか外は静まり返り、自分たちの息づかいだけが天幕の中に籠る。 「夕飯…」 「ああ、忘れてた。持って来れなかったな」 「食欲は無いから別に良いけど〜」 「朝食は持って来てやるよ」 「うん」 「だから、もう少し…」 「ダメ〜」 笑顔でヘンリーはガイアの胸に頭突きをする。 「ぐっ…は…」 「おやすみ〜、ガイア〜」 ガイアの胸に頭を付けたまま、ヘンリーは寝息をたててみせる。 もちろん即寝た訳じゃなく、寝た振りだ。 「…おやすみ」 これ以上求めるのは頭突き以上の危険を感じる。 しょうがないかと素直に諦め、ヘンリーの額に軽くキスをした。 まだ求めてしまいそうになるのは、やはり媚薬がまだ身体に残っているからなのだろうか? それとも、ヘンリーのせいだろうか…? どっちだろうかと考えつつ目を閉じる。 まあ、どっちでもかまわない。 愛している事には変わりはないのだから…。 --------------------------- おわり 媚薬ネタでした。 ケアルからですが、ガイアがヘンリーを欲情のままにと…。 希望に添えたかどうかは謎な展開ですが…、何故か最後に頭突きをするヘンリー…。 めずらしく、登場人物が多いです。 人の弁当を食べる人と言えば、ソールかと…。 ソワレ初です。ソールが紳士であることを祈ります。 とんでもない展開ですね…。 いやいや、きっと告白してハッピーエンドなハズです。 ソールとソワレのその後は書いていませんが、ご想像にお任せいたします。 ウードとノワールの関係もご想像で…。 ガイアとヘンリー以外の関係が曖昧な作文です。 好きなように想像して頂ければ〜と思っております。 あわあわするガイアとソールをお楽しみください(?) 誤字脱字は〜…(もう、決まり文句で;) 少しでも楽しんで頂ければ幸いです。 最後まで読んで頂き有り難うございます! UP |