EBI-EBI |
FireEmblem 覚醒:想いと記憶 3 |
絵と文とか FireEmblem覚醒 TOP INDEX |
ヘンリー記憶喪失ネタ。 ※18歳未満閲覧禁止。 いつからだろうか、二人で居るのが当たり前になっていた。 もともとは一人でいるのが当たり前だったが、まだ心の整理がつかない。 このまま独りに戻ってしまうなんて、今の自分では受け入れられないだろう。 どうにかしなければと、布団の中で頭をフル回転させるが良い案は思いつかず、頭に浮かぶのは最悪な想像と、二人で過ごした日々。 繰り返し、そんな事を考え、ただただ時間だけが過ぎてゆく…。 「ガイア」 脳内の処理速度に限界を感じ、ゆっくり目を閉じた時、聞き慣れた声が天幕の外から聞こえてきた。 空耳だろうと、目を閉じたまま大きく深呼吸をする。 「ねえ、ガイア」 先ほどよりハッキリと聞こえ、少し目を開ける。 「ヘンリー?」 「入って良い?」 「ああ」 寝台から身体を起こし、近づいてくるヘンリーをじっと見つめる。 記憶が戻ったのかと期待してしまうが、そのヘンリーの表情は堅い。 「ルフレから聞いたんだけど、僕の事、ガイアは知ってた?」 「ああ」 「どうして言ってくれなかったの?」 知らないのは自分だけ。 自分の事なのにとヘンリーは不満の声をあげる。 「…必要ないと思ったからだ。忘れてるのに思い出せって、そんな事言えるわけないだろ」 「どうして?」 「束縛してしまいそうだからだ。独りが良いって言ってるヤツに、どの面下げて俺の事思い出せって言うんだよ」 自由なコイツに惹かれたのに、それを奪ってしまう一言なんて言える訳がない。 自分の事を忘れているヘンリーもヘンリーなんだ。独りが良いなら、それはそれで構わない。 「まだ思い出せないけど、教えて欲しいな。僕とガイアの事」 「無理矢理思い出させるつもりはない」 「違うよ、思い出したいんだよ」 ガイアの言葉に納得できず、ヘンリーは袖を掴んでせがむ。 その顔にいつもの笑顔はなく、何処か苦しそうな表情に決意が揺らいでしまう。 「どうしてそう思うんだ?」 「分からないけど忘れちゃ駄目だって、ガイアとの思い出は大事なんだって分かったから」 「分かったのか分かってないのか、どっちなんだ…それ…」 「あはは…、頭の中がこんがらがっちゃってるよ。あれからずっと、こんがらがってるんだ。隣に居ないガイアの名前を呼んじゃったり、独りは慣れてるはずなのに孤独で苦しくなったり。なんか、わけ分かんなくって」 困った顔で笑い頭をかくヘンリーに、ガイアは苦痛の表情を見せる。 結局、束縛してしまっている。自由にしていてほしいと願うが、今のヘンリーにその想いは届かないみたいだ。 「ヘンリー、思い出そうとするな」 「そんな…」 「忘れてたって良いんだよ。また二人で思い出をつくっていけば良いだろ?」 そう言って、ヘンリーの頭に優しく触れ、自分の方へ抱き寄せる。 「思い出そうとするから混乱するんだ」 「ガイア…」 「忘れてても、こうやって俺を求めて来てくれたんだ。それだけで十分だよ」 「うん」 小さく頷き、ガイアの肩に軽く額をくっ付ける。 「僕たち、ただの知り合いじゃないよね?」 「ああ、友達以上だよ」 「あはは、やっぱり〜」 ヘンリーは笑い、その笑顔にガイアは口付ける。 そして少し唇をはなし、ヘンリーはガイアの胸に顔をうずめ呟く。 「もっと知りたいな、ガイアの事」 「いくらでも教えてやるよ」 忘れてしまったのなら、知りたい事を教えてやれば良い。ただ、それだけの事なんだ。 これから二人で過ごす時間を大事にすればいい。 覚えていないのだから当たり前なのかもしれないが、衣服に手をかけるとヘンリーは少し不安な表情を覗かせた。 初めての行為のような、そんな表情に罪を感じ、少しガイアは身体を離す。 「こういう事は、まだ後にしとくか…」 記憶のないヘンリーには酷な事なのかもしれないと…。 「ううん、平気だよ。だって、いつもしてたんでしょ?」 「い、いつもというか…、たまにな」 「ふーん。でも、止めないでほしいな〜」 そう言って、ガイアの手を掴んで、自分の衣服に触れさせる。 「いいのか?」 「もちろん〜。忘れちゃった分、いっぱい思い出つくらなきゃね〜」 「…そうだな」 戸惑いながらもガイアに身体を預け、優しく触れてくる手や唇の感触で白い肌は薄く色づき始める。 首筋や胸を滑る舌の感触に思わず声を出してしまう。 普段とは違う艶っぽい声を発し、思わず口に手を当ててガイアを見る。 「あ…、ゴメンね。変な声出しちゃった…」 「ん?いや、いつも通りだよ」 「そうなの?何か恥ずかしいな〜…」 「そんな事言われると、こっちまで恥ずかしくなるだろ…」 確かにいつものヘンリーなのだが、反応がいつもと違って新鮮だ。 忘れてるだけなのだが、たまにこういうのもアリかもしれない。まあ、今回だけだろうけど…。 いつも通りと言われ、感じるまま素直に声を出し、その口内にガイアの舌が入ってくる。 唾液の絡まる音や、それを吸う音、そして少し離した時に漏れる自分の声。すべてがやらしく聞こえ、耳を覆いたくなってしまう。 だが、その手を掴まれ、もう一度ガイアは舌を侵入させてくる。 いつもどのように抱かれていたかは覚えていない。抱かれるというのはどういう事か知らない訳じゃないが、本当にガイアとこういう事をしていたのだろうか…。 「あっ」 何となく慣れてきた口内の刺激とは別に、身体の中心がビクンと跳ねる。 悶々と考えていた頭の中は白くなり、恐る恐るガイアを見る。 「何考えてるんだ?」 訊いてくるガイアの手はヘンリーの中心を掴んでいた。 ああやっぱりとヘンリーは頭の中で呟き、そのまま目を閉じる。 「やっぱ、止めとくか?」 ガイアはヘンリーの中心から手を離し、顔を覗き込む。 「大丈夫だよ?」 「いや、覚悟を決めてまでする事でもないぞ」 「今までしてたんでしょ?僕が覚えてないからって止めないでよ。いつもみたいにしてよ」 強い口調でヘンリーは言い、ガイアの手を掴んで自分の中心を掴ませる。 「お、願いだから…」 「ヘンリー…」 「本当は忘れたままなんて嫌なんだ。本当は思い出したいのに…」 ヘンリーの頬を伝う涙をガイアは唇で拭い、そのまま耳元に顔を寄せ囁く。 「すまなかった。忘れたままで良いなんて言っちまって」 「でも何も思い出せなくて…」 「必ず思い出すさ」 保証はもちろん無い。別に思い出さなくてもいいとさえ思っている。 でもそれは自分の意見であって、ヘンリー本人は違う。 「本当?」 「ああ、慰めじゃない。だが、思い出すまでは二人で新しい思い出を作っていこうぜ」 「うん、そうだね」 「これからも宜しく」とガイアは小さく呟き、掴んでいるそれに口付ける。 「あっ、そっち」 唇にだと思っていたキスは下半身で、そこからガイアはヘンリーを見上げた。 「握らせたのは、お前だろ」 「あはは…」 ヘンリーは照れ笑いをし、ガイアは止めていた手を動かす。 身体がどうなろうと、全てを受け入れられる。ガイアとなら…。 「ん、あっ」 ぬるっとした感触がたまらない。 たっぷり指で慣らされたそこに、熱いモノが押しあてられ、ずずっと中に入ってくる。 何が侵入してきたかは分かる。だが、それ以上、考える余裕をガイアは与えてくれない。 ゆっくりと少しずつ押し込まれていく感覚に耐えきれず、うわずった声が絶え間なく出てしまう。 これ以上無理とガイアの背中に爪を立てて訴えると、ガイアの動きが止まり「大丈夫か?」と耳元で訊いてくる。 が、ヘンリーが言葉を返す前にガイアは動きだす。 「あ、ああっ!」 まだ返事をしてないからと油断していたヘンリーの身体は、本人の意思とは別に大きく仰け反る。 「や、ぁあっ!」 少しずつ動きは大きくなり、痛いとか気持ち悪いとかそんな感覚は快楽に負け、気持ちよさだけを求めて身体が動く。 ガイアの動きに合わせて動く自分の身体に羞恥心を感じるが、もうどうする事も出来ない。 もっと刺激が欲しくなり、自らガイアを求めてしまう。そして、求められてる事も分かる。 寝台のきしむ音さえも卑猥な音に聞こえ、欲望は身体の中ではじけ飛ぶ。 「あぁっ!!」 身体の奥に熱いモノが広がり、何とも言えない感覚が身体を襲う。 「はっ、ん…」 まだ中にあるモノをひくつくそこで感じてしまい、絶え間なく声が出てしまう。 そのまま抱き合いキスを交わし、もう少しとガイアは身体を動かす。 「う、ん」 すぐ身体は反応し、また相手を求めて動き出す。 なんてやらしい身体なんだろう…。そんな事を考えながら、ガイアの背中に手を回す。 自分は忘れてても、身体が覚えているのかもしれない。いや、覚えてるのだろう…。 「身体が羨ましいな…」 「ん?」 「なんでもないよ〜」 いつもの笑顔を見せ、ヘンリーはガイアの首筋にキスをする。 「もっとしよう〜」 「積極的だな」 「ふふ」 羨ましい身体も自分自身なんだ。悲観する事は何も無い。 大事な事はガイアと一緒に今を生きている事だ。 鳥の声が聞こえ、夜が開けたのが暗い天幕でも分かった。 まだ朝方なのか天幕は肌寒く、布団から出る気にはなれない。 ガイアはひとつあくびをして、ヘンリーを湯たんぽ代わりに2度寝を決める。 「ガイア、おはよう〜」 「ん」 しかし、寝ていると思った湯たんぽは、元気に挨拶をしてきた。 ずっと見ていたのだろうか?閉じた目をもう一度開けると、にこにことヘンリーがこっちを見てきていた。 「起きてたのか?」 「さっき、起きたところ〜」 「そうか、おはよう」 「ねえねえ、ケーキ買ってあるんだけど食べる?」 「ケーキ?いつ買って来たんだ?」 朝っぱらからケーキかよ?と思ったが、それより一体いつ買って来たのだろうか? 屍兵討伐前か?もしそうなら、覚えてないのに甘いケーキを買ってくる意味が分からない。それとも今朝か?…いや、ずっと布団にいたはずだ。 「ヘンリー、いつ買って来たんだ?」 「呪いの道具を買いに町へ行ったときだよ〜。ガイアのお土産にと思って」 「それって…」 記憶をたどってみるが、どう考えても昨日今日の出来事じゃない。 ヘンリーが町へ行ってくると言ったのはもっと前の事で、頭を打って記憶がおかしくなる前だ。 「じゃあ…」 「うんうん、ちょっと待っててね〜、いま取ってくるよ〜」 そう言ってヘンリーは着替えようと衣服に手を伸ばす。が、その手をガイアは慌てて掴んで、ヘンリーを制止する。 「い、いや、持ってこなくて良い。それより、思い出したのか?」 「ガイアの事?朝、起きたら思い出したんだよ〜。ガイアにケーキ買って来たんだったって」 「だから、それは…」 思い出したのは『ガイアのために買って来たケーキの事』か、それともすべての事を思い出したのか。 ヘンリーの言葉からじゃ今イチどちらか分からないが、後者であって欲しいと願う。 「うんうん、いまケーキ持ってくるね〜」 「それはもういいからっ!きっと腐ってるしな…」 「えー、勿体ないな〜」 残念そうに言うヘンリーの肩に手を回し、自分の方へ向き直させる。 「勿体ないとかじゃなくてだな…。お前が記憶を失う前の事だから、もう何日も前のケーキだ」 「せっかく、ガイアのために買って来たのにな〜」 その言葉は嬉しいが、流石に数日放置されていたケーキを食べる勇気はない。 「今度一緒に買いに行けば良いさ」 「あはは、そうだね〜」 「それより、全部思い出したのか?」 「うんうん、忘れてたのが不思議なくらいだよ〜」 「そうか、良かった…」 やっと本当に全てを思い出したんだと、嬉しいようなホッとしたような、気の抜けた笑顔でヘンリーを見る。 そのヘンリーは笑顔でこっちを見てきていて、忘れているときの笑顔より数段上の笑顔だ。 「ガイアは思い出さなくていいって言ってくれたけど、やっぱり思い出は良いね。もう忘れたくないな〜」 「忘れないさ。お前の頭は俺が守ってやるよ」 この笑顔を守りたい。ずっと見ていたいと思う。 「あはは、頭だけ〜?」 「言わせるなよ。分かってるくせに」 もちろん頭だけじゃない。ヘンリーのすべてを守る覚悟だ。 今までだって、そう決めてはいたが、本人を前に改めて誓う。 「ふふ。僕もガイアを守るよ〜」 「ああ、よろしく」 ルフレには悪いが、また配置を悩ませてしまうだろう。 ヘンリーの記憶が戻ったと、喜ぶとは思うが。 「タダの友達は、ルフレに通用しなくなったな」 「あはは、ルフレとサーリャみたいだね〜」 「いや、それは違うだろ…」 「あははは」 本当に記憶が戻ったのか?と、ヘンリーの頭を心配そうに撫でる。 笑うヘンリーの笑顔は確かに、いつもの笑顔だ。 ずっと、この笑顔を見ていたい。 ずっと… ------------------------------------- おわり 頭打って記憶喪失というベタな内容です。 ただただガイヘンで妄想して幸せ〜という…。 ※討伐時、ガイアとヘンリーが一緒の行動というのは、ガイヘンという事での捏造です。 ※ルフレとサーリャの関係は…ウチの二人はいつもこんな感じです。 こんなガイヘンですが、少しでも楽しんで頂ければと思います。 いつも読みにくい文ですが、ここまで読んで頂き有り難うございます! UP |