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銀 魂:銭湯3 後編 |
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銭湯の続編です。 18禁のようなそうじゃないよーな、でも18禁とさせていただきます。 引き戸が閉まり、沖田は場内をぐるっと見回す。 そういえば、一人で風呂に浸かるなんて何年ぶりだろうか…。 いつも必ず誰かが居た。 静かすぎて落ちつかねェとか思ってしまう自分が嫌になる。 浴場に響く音が耳につき、できるだけ静かに行動する。 いつもなら気にしないが、裸で一人っきりの浴場というのは落ち着かない。 もう誰も入ってこないと思うが…。 ささっと身体を洗い、ささっと浴場を出て、ささっと寝間着に着替え、そこでピタッと動きを止める。 遅くなるなとは言われたが…、早く戻ると何か期待しているように思われそうで嫌だ。 だが、遅くなると恥ずかしがってると思われそうで、それも嫌だ。 脱衣所にかけられた時計をじっと見つめ、丁度いい時間を探る。 ガラララ… 「!?」 まさかの引き戸が開けられ、脱衣所に人が入ってくる。 「あれ、沖田さん。まだ居たんですか」 「まだって何だよ、ザキ」 声をかけられ時計から目を離し、沖田は風呂道具を手早く纏め小脇にかかえた。 その動作を少し不審な目で見つめ、山崎は沖田の質問に答える。 「いえ、見回りを頼まれたんですけど…、一人ですか?」 「そーだけど」 「そうですか…」 山崎はさりげなく辺りを見回す。 何を探しているか大体見当はつく。どうせ土方の残り香とかそんなんだろう…。 それが分かるから、つい山崎を蹴飛ばしてしまう。 「いつもこんな時間に見回りしてねェだろ。ザキももう寝ろよ」 「イタッ!痛いですって!蹴らないでくださいよッ。もう戻りますから」 「言われたからって見回りする必要ねーんだよ」 「はいはい、そうですね」 逃げるように山崎は沖田と距離を取り、閉められた浴室の扉を伺う。 「はあ、汚してないでしょうね…」 「聞こえてんだけど?」 「す、すみませんッッ」 沖田に睨まれるのと同時に山崎は謝り、そそくさと廊下の果てへ姿を消した。 「ったく、どいつもこいつも…」 予想外な山崎に遭遇し、丁度いいと思える時間を逃してしまう。 とはいえ、これ以上時計を見ている訳にもいかず、そろそろ戻るかと腹をくくる。 焦らすのはドSな自分の性分にあってはいるが、今はそんな気分じゃない。打たれ弱い部分が前面に出ている状態だ。 だが、そんな自分を土方の前で、さらけ出したくはない。 が…、 十分さらけ出してしまっている事は、自分でも分かっている。 「はあ…」 部屋の前で止まり、襖を見つめ溜め息をひとつつく。 「入れよ」 中から声がして、らしくなくびくっと肩が跳ねる。 「うわ、溜め息だけで分かんのかよ!?こえーな」 「違う、気配だ。今、俺の部屋に来るのは、お前くらいだからな」 「まあ、そーですね」 わざわざ訂正してんじゃねーやと頭の中で愚痴り、中に入って襖を閉める。 「遅かったな」 「そうですかね?」 言って、文机の上を見る。 机の上は片付けられていたが、灰皿の上だけは今にも崩れそうな吸い殻の山ができていた。 「ずっと起きてたんで?」 「当たり前だろ」 「つーか、煙草吸い過ぎ」 「他にやる事がないからな」 「部屋、煙たすぎですよ」 空気を手で仰ぎ、煙を分散させる。 「じゃあ、お前の部屋に行くか?」 「冗談はやめて下せィ。あんたの欲望のために、俺の部屋を汚すつもりはないですぜ」 「なら、いつまでも突っ立ってないで、早くこっち来い」 「言われるまでもねーや」 色々考えていたが、土方の言葉で吹っ切れる。 このまま何もしないで、ココで朝を迎えられるわけないんだ。 腹をくくり、既に敷かれている布団の横に腰を下ろし、土方を待つ。 その土方は煙草灰皿に押し付け、ゆっくり文机から布団へ移動する。 「臭え…」 「今さらだろ」 ひとつ文句を言うと、いつもの調子で土方は言葉を返し、首に手を回し唇を重ねる。 まだ数回のキスだが、風呂場とは違う。 「煙草っ…」 少し唇が離れ、すぐ文句が口をついて出た。 直前まで煙草を吸っていたからだろうか、風呂場でした時は気にならなかったのに…。 「すぐ慣れる」 そう言い土方は眉間にしわを寄せている沖田を抱き寄せ、もう一度キスをする。 「ん…」 今度は唇を離さず、そのまま布団に押し倒し、キスを続ける。 もっと文句を言いたかったが、土方の唇は当分離れそうもない。 何も文句を言えないまま、どんどん土方のペースに身も心も呑まれていく…。 浴場とは違い、音は響かない。 声が漏れても浴場ほど羞恥心は駆り立てられない。 そして、銭湯のように誰かが入ってくるかもという緊張感もない。その代わり、誰かが部屋の前を通るかもという緊張感はあるが…。 銭湯の時も思ったが、この人はその辺の状況を分かって、抱いているのだろうか? なんて考えていられるのも今のうち…。 やらしく動く土方の手に反応し、びくんと身体が跳ねる。 流石にもう文句を言う気はない。いや、言いたくても頭ん中にそんな余裕がもう無いだけだ。 「あっ、やめ…」 初めて手以外で触れられる。 女のあそこに挿入した事はないが、こういう感覚なのだろうか…。 自ら挿れたわけじゃないが、生温く湿っぽい中に唾液を絡めてくる舌は、やっぱり女のそことは違う。口は口だ。 「な…、吸うなっ…!」 「喋れるなら、まだ余裕だな」 「しゃべ…っな!」 吸ったり喋ったりと、この男は…。 睨んでやりたかったが、なんか顔の筋肉までおかしくなってるような、うまくコントロールが出来ない。 そのまま良いように口の中で遊ばれ、抵抗虚しく土方の口の中で欲望を放ってしまう。 余韻が残る身体を抱かれ、出してしまったモノを土方は指に絡め、今度は尻を撫でてくる。 「っん…」 撫でていた指は、そのまま絡めたそれと一緒にぬるっと中に入ってきた。 湯船という邪魔が無いだけに、指の感触がハッキリと伝わってくる。 背筋に走る感覚に小さく喘ぎ、入ってくる指の数が増えていく圧迫感に耐えるためシーツを掴む。 何本入ったのか分からないが、動き出した指に身体が跳ねる。 「あっっ!」 痛いくらいだったはずの感覚は、不規則に動く指で快楽に変わっていく。 中のいたるところを指で押したり撫で回したりされ、快楽の波は次から次へと留まる事なく押し寄せてくる。 恥ずかしいと思っても、喘ぎ声はどんどん大きくなっていく。 このままじゃ終わらない事は分かっているが、もう限界だと身体が訴えてくる。 「土方さ…、もう…」 もう無理と言おうとしたが、その言葉を口で塞がれ、優しく頭を撫でられる。 そして、ずるっと指を土方は抜く。 「んあ、っん」 足を広げられ、次に入って来たモノは、土方の一部ではあるが指のような細いモノではない。 「っ!」 太く長いそれは肉壁の抵抗を押しのけ、どんどん奥へ入ってくる。 ずずっと入って来る感触は、次第に痛みより快楽が勝っていき、もっと上の快楽を身体が求め動き出してしまう。 土方の動きに身体が勝手にあわせて動き、気持ちよさで頭がおかしくなりそうだ。 奥まで突かれ、頭の中は真っ白になる。 何度も突かれ、頭の中は真っ白どころではなくなり…、 限界は限界の上をいき、頂点を付いた快楽は万を喫して外に放たれる。そして身体の中にも…。 「…」 気怠く、情事の後は何とも言えない余韻があると思う。 銭湯では、そんな余韻に浸る前に、浴場をほっぽり出されてしまったわけだが…。 あれは最悪だったとしか言いようがない。 心の整理もだが、身体だってどうしたらいいのか分からないまま、強制的に追い出されたんだ。 出入り禁止を食らったのはしょうがない事だが、あんな事は二度とゴメンだ。 風呂場でする事はもうないと思う…というか、されてたまるか。 ただ、土方の部屋ではこれからも、あるかもしれない。 廊下は気になるが、風呂場の何十倍も良い。 好きとは一度も言っていないが、土方の事は嫌いじゃない。 誘われれば抱かれるだろう。 風呂場は遠慮させてもらうが…。 ------------------------------------ おわり。 銭湯の続編です。 アンケで希望があったので書いてみよう〜と。 希望に添えたかどうかは謎ですが…。 18禁を〜というのもあったので、試みてみました。 かなり微妙な線ですが…、一応18禁とさせていただきました。 土方さんが報われたかどうかは謎な内容ですね…。スミマセン。 少しでも気に入ってくだされば幸いです。 誤字脱字もなければ良いんですが…; 最後まで読んで頂き有り難うございます! #UP |