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銀 魂:障子に目あり。 |
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いつも通りタイトルに意味はほとんどありません。 何故か鉄之助の独白(?)から始まります。今も土方さんの小姓してるかしらないですが、真撰組と見廻組が一悶着あったあたりだと妄想してください。 今回の沖田くんはやさしくありません…。 すでに土方さんと沖田はアレソレな関係です。 そして、ただのドタバタ劇となっております。いつもよりも短い駄文です。 今日も江戸は晴天なり。 真撰組屯所では、自室で鬼の副長が仕事を頑張っている。 真撰組と見廻組の一悶着があって俺は改心した。 すべては副長のおかげだ。感謝してもしきれない。 強くなって恩返しがしたいと心から思っている。 だが、まだまだそれは果たせそうにない。 なら小姓として精一杯尽くさせてもらいます。 「失礼しますっ。副長ォォ。お茶くんできました!!」 「いらねェ」 「副長ォ。肩もみましょうか!!」 「いらねェ…つーか、同じ事前もあったよね??まんま同じ事繰り返してるよね??何も変わってない気がするんだけど??変わった?変わってるハズだよね? 少しは成長しろォォォォォ!!!」 鬼の副長の蹴りで、ハデに障子共々鉄之助が縁側へ吹き飛んだ。 「何度言ったら分かるんだ。用がある時は呼ぶから、それ以外はどっか行ってろ!」 「申し訳ありませんっ!」 頭を下げた時、砕けた障子が目に入った。 「あ、障子どうしましょうか?」 「明日にでも新しいの入れてもらうから気にすんな」 「分かりました!」 土方は仕事を再開しようと座布団に座り直す。 そこに今度は山崎がやって来た。 破壊された障子を見て山崎は溜息を漏らして言った。 「副長…今月に入って何枚目ですか。経費で落とせませんよ。毎回毎回大変なんですから。障子開けとくとか対策とってくださいよ」 「たまたま閉めてただけだ。いつも壊してる訳じゃねェよ」 「なんですかその言い訳。もう障子無しで全開で良いんじゃないですか」 「オマエ、そんな事わざわざ言いに来たのか?」 「いえ、違いますけど。偵察の報告に参りました」 そう言って山崎は全開になってしまっている出入り口の方を眺めた。 そこには鉄之助が正座している。 山崎は鉄之助と目が合い、気まずそうに言った。 「…ここで報告していいんでしょうか」 「ああ…そうだな。もう行って良いぞ鉄。障子は閉まってなくても問題ないな?」 「そうですね。大した収穫もなかったんで」 形だけの人払いをして山崎は土方に偵察の報告を始めた。 その間、鉄之助は隣の部屋の前で正座をして報告が終わるのを待つ事にした。 表情は暗い。副長のために頑張ってるつもりなのに、どうも上手くいかない。 そんな空回りしている自分を責めているのかもしれない。 「なにやってるんでィ?んなとこで正座して。邪魔なんだけど」 顔を上げると、そこには沖田が立っていた。 そういえば隣は沖田隊長の部屋だったかと立ち上がり場所を空けた。 「沖田隊長」 「ん?なんでィ?」 呼び止めて、大げさに頭を下げて「すみませんでしたァァァ!!」と謝る。 言われた沖田は、ちょっと不快な表情をして言った。 「なにが?自分の存在を謝ってんの?ボンクラなのは知ってるから謝らなくていいよ」 酷い言われようだが、もちろん鉄之助が謝りたいのはそんな事ではない。 沖田の言った事は無視して話し始める。 「副長の部屋の障子をまた壊してしまいました!!」 「それ壊したの土方さんなんじゃねーの?つーか、俺に謝る事じゃねェよ」 「いや、俺が壊したようなものなんっす!」 「ああ、そう」と沖田は興味無さげに言い、自室に入ろうとした。 だが、鉄之助は話を続けた。 「夜、障子無いと困りますよね!?障子無いと出来ないですよね?副長溜まっちゃいますよね?」 「…だから、何が?」 沖田は自室に入ろうと障子を開けたが、そこで動きを止めた。 そして無表情で鉄之助を見つめる。 それに気づいているかどうかは分からないが、鉄之助は説明を始めた。 「だって、副長と沖田隊長は…あ、すみません。俺、副長が夜も仕事してるかと思って、何かする事無いかと部屋に伺った時に性行ぃ…」 「何話してんだァァァァァァァァァ!!!!!!」 叫びながら土方は勢い良く走って来て、そのまま鉄に飛び蹴りを食らわせた。 鉄之助の体は宙を舞い芝生の上に落下した。 そして少しの間、沈黙が流れた。 鉄之助は起き上がってこない。気絶しているのだろうか…。 最初に沈黙を破ったのは山崎だった。 「えーと、副長。報告は後日にしますか?急ぐような情報もつかめた訳ではないんで…」 「え?あ、ああ。そうだな」 「副長。俺、口は堅いですから。口封じとか必要ないですから。…殺されたくないですから。では、失礼します…」 山崎は去っていったが、明らかに怯えてた。土方に怯えているというよりも…。 「総悟…」 「…」 名前を呼んでみたが返事は返ってこない。 「総悟。これは、俺が悪いのか…?」 もう一度名前を呼び、話しかけた。表情を伺ったが無表情のままだ。怒っているかどうかも分からない。 山崎の命も保証してやらないといけない。 怒ってるかどうかは分からないが、分からないからこそ確かめないといけない。 「怒ってるのか?」 返事が返ってこないので単刀直入に聞いてみる。 「なんで?」 「え?」 思ってもいない返事が返って来て、思わず間抜けな声が出てしまう。 「見られちまったもんはしょうがないじゃないですかィ。今後、夜は部屋に来ないように注意すれば良いだけでしょ。」 「そ、そうだな。鉄には後で言っとく」 「お願いしやす。あと、山崎の口封じは…」 「いや、待て!!それも俺が何とかするから、オマエは手出さなくていいから!消すのだけは勘弁してやってくれ!!」 「しょうがないですねィ。土方さんに免じて命だけは取らないでおいてやりまさァ」 本気で山崎を消す気だったのか?冗談だとは思うが…。思いたいが…。 「ああ。よろしくたのむ…」 「多分ね」 「え?」 多分ってどういう事だ?ただ聞いちゃっただけの山崎は許さないって事なのか? 見てしまった鉄は許すのに? 理解出来ないと沖田を見つめるが、まだ無表情で何を考えているのかまったく表情からは読み取れない。 見張ってないと山崎を消しに行きそうで、沖田から目が離せなくなってしまっている。 「副長…」 草むらから声がして、鉄之助に視線を向けた。 「鉄、そう言う事だから。以後気をつけろよ。命が惜しかったら他言無用だ。いいな」 「はい!わかりました!!あ、副長!再度忠告しておきますが、タバコはメンソール駄目ですよ!都市伝説ですけど油断は禁も…」 「黙ってろォォォォォォォォ!!!!!」 再度、鉄之助は土方によって遠くへ蹴飛ばされた。 「土方さん。俺は心配してませんよ」 「何がだよ…」 「インポテンツ」 「…いや、俺メンソール吸ってないから」 いやな沈黙が続く。 だが部屋に戻って仕事の続きをする気にもなれない。 場の雰囲気を変えようと声をかけてみる。 「総悟。いつまで無表情なんだ。怖いんだけど…」 「笑えとでも言うんですかィ?」 「いや…」 夜の行為を見られたのだ。気にするなという方が難しいだろう。 鉄之助が何処から何処まで見ていたのかは知らないが…。 次の日、障子は新調された。 何事も無かったかのように毎日が過ぎてゆく…。 だがしばらくの間、土方は一人で夜を過ごす事になる。 ーーーーー おしまい。 ただのドタバタ劇ですね。 事件後、鉄之助の真撰組での位置はしりませんが、 事件前と同じならウザさも変わらないんだろうと勝手な妄想で書きました。 まだ小姓してるの?その辺も妄想です。ハイ。 #UP |