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銀 魂:銀さんと沖田と子猫と。
絵と文とか

銀魂

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相変わらずなタイトル。もうタイトルじゃないよね?登場人物紹介みたいになってるね?
銀さんソックリな猫が登場する話です。銀さんが猫じゃないからね?そういう教訓ありましたけど…
あとそっくりな赤ん坊が出てくる教訓とかありましたけど。そのへんとはまったく繋がりありません。



今日も依頼者が来る訳でもなく、
万事屋にはゆる〜い空気と時間が流れていた。
神楽と新八も留守なため、さらにゆる〜い空間と化している。

そのゆるい空間を断ち切る声が玄関から聞こえて来た。
「旦那ーいますかー?」
「いませんよー」
真撰組のヤツだと分かるや否や、テキトーに返事を返す。

入って来たのは、真撰組一番隊隊長沖田総悟。
両手には子猫を抱えていた。
「なに、その猫」
銀時はソファーに腰掛け、だるそうにその子猫を見た。
「拾って来たんでさァ。一人前になるまで預かってもらえやせんかね。」
沖田の個人的な依頼らしい事は何となく分かったのだが、受ける気にはなれなかった。
「無理無理。ウチには定春いるから」
受けれない一番の理由。それは定春につきる。
「真撰組もペットは無理なんですよ」
銀時は大きく溜め息をついた。
「だったら何で拾ってくんだよ。母さんに言われなかったのか?育てられないモン拾ってくるなって」
受ける気になれない理由は、自分で責任もって育てられないなら拾ってくるなって事と、押し付けられてもメンドーなだけだからである。そしてやっぱり定春で ある。
「だってホラ。旦那にクリソツですぜ?コレ絶対旦那の遺伝子入ってますよ。つまりは旦那ですよ?ほっとけるわけないじゃないですかィ。野良犬にでも襲われ たら夢見悪いですぜ。」
そう言って、その銀時そっくりな子猫を銀時の目の前に差し出す。
子猫と目の合った銀時の顔は引きつっていた。
「今なんつった?遺伝子つったか?いくら銀さんでも猫を孕ませれないからね?つか、猫に手出さないわ!ソレは遺伝子じゃなくて神様のイタズラなの!世の中 にはソックリな奴が3人居るって言うでしょ。それだよそれ。銀さんと前に会った赤ん坊、そしてその猫で3人な。いや、猫は人じゃねーけど」
「遺伝子じゃないって事はわかりやした。でも見た目旦那だし…可哀想じゃないですかィ。」
遺伝子じゃない事は最初っから分かってただろ!と、銀時は思ったがあえて言わなかった。
沖田も分かって言っている。ヤツはそういう奴だ。
「預かっても良いけど定春に食われるぞ」
確証はないが、がたいが違いすぎる。そして犬と猫だ。
以前にダッチ○イフを飲み込んでた事がある。子猫一匹ぐらい丸呑みしかねない。
「真撰組だと保健所連れてく事になりかねないんですよ」
「知らねーよ。連れてけよ」
「最悪、処分されちまいます」
「知らねえつってんだろ。飼えないなら処分しちまえよ。もしくは、居た場所に戻せ。野犬に襲われたらそれはそれ。そこまでのヤツなんだよ」
ここに置いといても定春に処分される(多分)。
なのになかなか引き下がらないから、ついついキツく言ってしまう。
「そうですね。旦那が正しいや。分かりやした。自分で何とかしやす」
「そうしてくれや。」
やっと分かってくれたかと、またゆる〜いモードに戻る。
「んじゃ、お邪魔しやした」
「ああ。」

ーーーーーーーーーーーーー
次の日。

何かスッキリしない昼下がり。
理由は何となく分かっている、あの猫だ。
クリソツだっただけに、まったく気にならない訳ではない。
あと沖田の事も気になる。なんとなく、帰り際がいつもと様子が違った気がする。
きつく言い過ぎたか?アイツがそんな気にするとも思えないが。

まあ、考えててもしょうがないと気分転換に外にでる。
天気は良く、なんとなくあくびが出た。
「くあ」

ニャーニャー
足下に何かが絡み付いてくる。
「ん?」
足下を見ると昨日の子猫が居た。
足にスリスリしてくるその姿は自分にクリソツな子猫でもキュンとくるモノがある。
「おや、旦那散歩ですかィ?」
顔を上げると沖田が立っていた。
「ああ、結局飼ってんの?」
「情が移っちまってねィ。真撰組には内緒で。そろそろ限界にきてますけど。山崎程度ならなんとかなるんですがね。土方さんがね…」
そう言って、沖田は子猫を抱き上げ自分の顔に子猫を近づけて見つめている。
「意外だなあ」
そう言われ、沖田は子猫から銀時に視線をうつす。
「何がですかィ?」
「沖田くんが」
「俺?」
不思議そうに沖田は銀時を見つめていた。
「こんなに動物可愛がるヤツだったんだなーてね。」
そう言われて、うーんと一瞬考えて沖田は答えた。
「そうですねィ…。旦那に似てるからじゃないですかね?」
今度は笑顔で子猫を見つめている。
「サラっと恥ずかしい事言ってくれるね。」
言われて銀時は沖田から視線を外す。
無自覚。というのが分かるから対処しきれない。
俺の事が嫌いじゃない事は分かるが…。

「ちょっと、沖田くん…今日変だよ?」
沖田はそう聞かれてきょとんとしている。
「普通ですけど?」
「いや…なんか可愛いから…」
恥ずかしいと思いながらも口に出して言ってしまった。
「子猫は可愛いですねィ。俺もメロメロでさァ」
やっぱり無自覚なのか…通じていない。
「いや…自分似の猫はちょっと。そうじゃなくて…」
どう言えば伝わるか…。そんな事を考えながらついつい猫を挟んで軽くキスをする。
「ん…」
「沖田くんが可愛いって言ってんの」
結局ストレートに言ってしまった。
キスを嫌がらなかったんだ。これぐらい言っても引かれないだろ。
「………」
そして少しの間、何も言わず子猫を挟んだまま至近距離で見つめ合っていた。


銀時は大事そうに子猫を抱いている沖田を見つめていた。
「預かれねェけど、貰い手探してやるよ。探してる間ぐらいババアに預かってもらえるように頼み込んでみるわ」
「良いんですかィ?」
子猫を見ていた沖田が顔を上げた。
「内緒で飼うの限界なんだろ。それくらい手伝ってやるよ」
「ありがたいでさァ。依頼料いくらいりやす?」
「いらねーよ。何いきなり依頼料って。こんな事で金は取らねーよ」
頭をかきながら銀時はちょっと不機嫌そうに言った。
キスしちゃったし…。口には出さないが銀時はこれが依頼料で良いと思っていた。
「そうですかィ?また、旦那に借りができちゃいやしたね」
「借りの内にも入らねーだろ、こんなの」
キスという依頼料はもらったし…。沖田はそうは思ってないだろうけど。

沖田は子猫をなでながら、その子猫に話しかけている。
「良かったなぁ。銀ネコ」
銀ネコ?と、銀時は沖田を見た。
「なにそれ?猫の名前?もっとマシなの付けれなかったの??銀ダコみたいになってるんだけど」
「タコヤキでも食いに行きやすかィ?俺おごりますよ」
え?名前の下りはスルーなの?銀時は改名されそうにない。そう思った。
「そうだな…。行くか」
猫の名前には納得いかないが(飼い主が見つかれば改名されるだろう)
沖田と甘い時間を過ごせたので良しとしよう。
そう、銀時は思ったのであった。



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えーと、誰目線ってのは相変わらず曖昧です。
そんで…一応両想いな?多分。
付き合います!!まで行ってませんねコレ。
なーなーな感じです。
今回は寸止めというか、まったくそこまでもいってません。


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