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銀 魂:お誕生日。
絵と文とか

銀魂

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タイトルの通りです。沖田のお誕生日です。いつもどーりの駄文です。
多分すでにナニな関係です。
お誕生日ネタという事でベタな展開だと思います。



※また食堂からコンニチハ。


真撰組隊士の昼食は、外で済ます奴もいるが屯所の食堂で食べる奴も結構多い。
特に食べたい物がなかったら、メニューを考えるより食堂のが手っ取り早いからだ。
今日の昼食のメニューはカレー一択である。

「食べたい物は別に無いが、暑いのにカレーはちょっとな…」
愚痴りながらカレーをテーブルに置き、だるそうにイスに腰掛ける。
そして溜め息をもらしながら、灰皿にタバコの火を押し付けて食事に集中する。
その様子を眺めていた沖田は、同じカレーを食べながら口を開く。
「土方さん。食べたい物が無いなら食べなきゃ良いじゃないですかィ。無理してカレー食べる事ないでしょ」
「腹は減ってるんだから食うしかないだろ」
気怠そうにスプーンをカレーの中にくぐらせながら土方は言う。
「ライスだけ食べれば、万事解決ですぜ」
「味気ないだろーが。飯だけならカレー食うわ」
そう言って、もくもくとカレーを食べだした。

食事を終え、目の前に座っていた沖田が席を立ち、冷水の入ったポットを土方に見せる。
「水、いりますかィ?」
「おお、たのむわ」
沖田は水を注ぎ、土方にコップを渡す。
土方は一口飲み、一つ大きく息を吐く。
「暑くなって来たな、もう夏か…」
「まだ7月初めですから、まだまだ暑くなりやすよ」
「もう、半年経ったのか…。あんまり暑いのは勘弁してほしいな」
ウンザリした表情で土方は言う。
「まだ、6ヶ月と8日しか過ぎてないですぜ」
「無駄にこまけーな。半年で別に良いだろ。」
細かいと言われ、沖田は不機嫌に言葉を返す。
「細かくて悪かったですねィ。土方さんは大雑把すぎなんじゃないですか?カレンダーもロクに見てないでしょ。そんなんじゃ直ぐボケますぜ」
「あぁ?なんだよソレ。なんでそこまで言われなきゃなんねーんだ?」
「さあ?自分の胸にでも聞いてみたらどうでィ」
今度は土方がムッとして言う。
「なんも聞こえねーな」
「そうですかィ。なら」
言いながら沖田はバズーカを土方に向けて構えた。
「おま、何考えてんだ!?危ないから、こっち向けんな!!」
「土方さんの胸に俺が直接聞いてやらァ」
「違うだろソレ!!聞く気ないだろ!?俺の胸に聞く前に、俺が死ぬだろォォォォォ!!!!!」
「死ねッッッッ!」
沖田の言葉とともにバズーカは土方に向けて発射される。

屯所の外にいた山崎は、煙の上がる方を見上げた。
「局長。屯所が破壊されてます」
「うん。されてるね。誰だろうね」
近藤は遠い目で言った。そして手に持っていた大きい箱を見つめる。
「山崎。アレまさか、クラッカーじゃないよな」
「クラッカーが爆発する訳ないでしょ。爆発する誕生日会なんて知りませんよ…。つーか、まだ何も準備してませんし」
山崎は呆れた表情で答えた。
「そうだな、ケーキは俺の手のうちにあったな。ケーキが無きゃ始まらん!」
「まあ、その中心になるハズの沖田隊長が屯所を破壊してるんだと思いますけどね…」
「言うな。山崎…」
二人は一つの不安を抱えつつ、屯所へ向けて歩き出す。



夕方の屯所食堂内。
広い食堂の一角に、ろうそくが灯る。
「お誕生日おめでとう!総悟!!」
そう言い、近藤は一人でバースディソングを歌いだした。
「…。ありがとうございやす」
礼を言う沖田は無表情だ。
そのやり取りを見ていた山崎がケーキを切り分けながら口を開く。
「えーと、俺らだけでいいんです?少なすぎじゃないですか…」
「いいんでぃ。良い年こいて、お誕生日会もねーだろ。他の奴らからはちゃんと別に祝ってもらったり、プレゼント貰ったりしてるから心配はいらねーよ」
「いや、別に心配とかじゃなくて…。誰も、沖田隊長が誕生日祝ってもらえない人だとか思ってないですよ?沖田隊長の誕生日を皆忘れてるとか思ってた訳じゃないですからね???」
山崎は慌てて弁解をした。
「別に忘れてもらっても良いし。神山あたりにはすっかり忘れててもらいたかったくらいでィ」
「あー…。神山は何か想像出来ますね…」

「トシ遅いな」
呟きながら近藤が辺りを見渡す。
「そういえば副長どうしたんでしょうね。来ると思ってたんですけど」
山崎も一緒に辺りを見回している。
「土方さんならこないですぜ」
「ん?なんでだ?」
近藤は沖田の方を向く。
「土方さん、怪我したんで自室で寝てると思います」
「えぇ?怪我!?聞いてないけど?つーか、今日そんな危険な任務あったっけ?」
「仕事は関係ないですね。それと大した怪我じゃないです」
沖田は近藤とは対照的に落ち着いて言葉を返した。
「もしかして、沖田隊長。昼間の爆発…」
おそるおそる山崎は沖田の方を見た。
「勘がいいなザキ」
「ハハ。やっぱり沖田隊長でしたか…」
勘も何も屯所で爆発が起きるとしたら、テロ以外にアンタしかいないだろと山崎は心の中でツッコミを入れる。
それを聞き、爆発が沖田の仕業だと確信した近藤は沖田を質問攻めにした。
「ちょっ。トシを爆破したの?何かあったのか?喧嘩でもしたのか?それとも…」
近藤が言い終わる前に沖田は言葉を重ねる。
「大した事じゃないですよ。喧嘩じゃないです。ちょっと手が滑っただけです」
「手が滑ったってどういう事??暴発??どういうシチュエーションでトシを爆破するのォォ!?」
「まあ、良いじゃなねーですかィ。生きてるんですから」
「良いのか…良いの?ねえ、山崎」
「俺にふらないでください。局長…」

ケーキを食べ終えて、形だけのお誕生日会は終わる。
数個のプレゼントを持って自室に戻ろうとした沖田を近藤は呼び止めた。
「総悟。これ、トシに持ってってやれ」
近藤は、一切れケーキが乗った皿を沖田に渡す。
「なんで俺が?俺の誕生日だったんだし、土方さんは関係ないんじゃ」
「関係ない事ないだろ。怪我で来れなかったんだ。お前が持ってって祝ってもらってこいよ」
「いや…。おかしくないですか?それ…。祝ってもらいに行けって言うんですかィ?」
「怪我させたんだろ?局長命令だ。行って来い」
局長命令と言われたら、大げさだと思いながらも何となく逆らえない。
謝って来いとは言わない所が、近藤さんらしいと思う。言われないからこそ、行くのが嫌だと言えなくなる。
「分かりやした。行ってきやす」
沖田は受け取ったケーキを持って、土方の部屋へ向かった。

「土方さん。起きてますか?」
障子越しに声をかけると「ああ」と返事が返ってきた。
「ケーキ持ってきやした。入って良いですかィ?」
「ああ、入れよ」
沖田は部屋に入り布団の横に座って、布団から体を起こした土方にケーキを差し出した。
「ハイ。ケーキです」
「ハイ。ケーキです。って、オマエ…」
「局長命令なんで。土方さんにケーキ持ってけっていう」
「ああ、そう…」
だるそうに返事をして、土方は自分の右腕を眺めた。
彼の右腕は包帯が巻かれ肩から吊るされている。
「そういや、利き腕を怪我したんでしたっけね。食べれませんね」
「お前のせいでな」
「土方さんのせいでしょ」
「……」
言い合いになりそうで、お互い無言になってしまう。
ここは我慢しないといけない。二人は、なんとなくそう思った。

「食べさせてあげますよ」
話を切り替え、沖田はケーキを一口サイズに切りフォークで刺した。
「待てよ」
ケーキを刺したフォークを土方の口元まで持ってこうとしたが阻止される。
「…。嫌でしたかィ?」
不機嫌そうに沖田は言う。
「いや…。恥ずかしいが、嫌とかじゃなくて。まだ、何も言ってないから」
「何を?何でケーキなんか持って来たんだ。とかですかィ?」
「違う…そう言う事じゃなくて…」
何か恥ずかしそうに、頭を左手でかきながら土方は言葉を続けた。
「今日、誕生日だったよな。忘れてた訳じゃないんだが…いや、言い訳にしかならねーか。だが、プレゼントだって買ってあるんだ。昼間はその…俺が無神経すぎた。悪かったな。そして、おめでとう総悟」
「…一気に言い過ぎ。ずるいですぜ土方さん。こっちから何も言えねーじゃねェか。」
一気に言ったのはもちろん確信犯で、誕生日の事を愚痴られると思ったからだ。
愚痴られる前にと、さらに土方は続ける。
「ほら。早くケーキ食わせろよ」
「命令してんじゃねェや」
さっきは待てと言い今度は早くしろと言う土方に、イラっときた沖田はフォークを土方の頬にあてた。
「おまっ!わざとやってるだろっ。ちゃんと口に入れろよ!頬にクリームついただろーが!!」
「いちいちうるせェな」
「!?」
頬に付いた生クリームを沖田は自分の舌で舐めとった。
「な…」
「どうしやした?クリームは取りやしたぜ。これで文句無いでしょ」
「あるに決まってんだろ」
文句があると言われ、沖田はまた不機嫌そうな表情をする。
「文句ばっかりじゃねェか」
「どうして俺は利き手を怪我したんだ」
「知りやしませんよ。頭の方がよかったですかねィ?」
言いながら沖田は、ケーキをフォークに刺し直して今度はちゃんと土方の口に運んだ。
だが、そのケーキは土方の口に届く事なく布団の上に落ちる。
フォークを持った沖田の手首を土方が左手で強引に掴んだからだ。
「ちょ、何やってるんでィ。ケーキ落ちちまったじゃねーか!」
「ケーキは後で良い」
そう言って土方は掴んだ沖田の手首を自分の方に引っ張った。
引っ張られて、ケーキを食べさせようと身を乗り出していた沖田はバランスを崩し、土方にもたれ掛かる。
もう片手に持っていたケーキも、皿ごと床に落としてしまった。
「あーぁ。皿ごとケーキまで…どうしてくれるんでィ。つーか離してくだせェ」
「離すわけねぇだろーが。人の頬舐めといて、それだけで済むと思ってんのか」
怪我が気になりあまり抵抗してこないのを良い事に、土方は器用に左手だけを使い沖田を組敷く。
「え…。土方さん、まさか?」
「当然だろ。そのつもりで、あんな事したんだろ?」
「んな訳ないでしょーが!両手塞がってたんだからしょーがねェだろ!利き腕使えないくせに何しようとしてるんでィ!」
「ああ、利き腕使えねーな。してくれても良いんだぞ?」
「嫌に決まってるだろ!変態野郎」
「じゃあ、大人しくしてろよ」

誰の誕生日だよ!!
沖田は心の中で叫んだ。


そして翌日、誕生日プレゼントを受け取っていない事に気づく沖田であった。





ーーーーーー
おしまい。

半年のトコですが…7月8日と言ってしまうとまんまだなーと思い、ああなってます。
実際の平年の半年は7月2日らしいですよ。どーでも良い事ですけど。
まあ、6ヶ月と言うのも間違いじゃないですよね?

あと土方から沖田への誕生日プレゼントの中身ですが、想像にお任せします。
何を隠そう決めてません。妄想する人によって違っていいと思います…。

そして、お誕生日ネタなのでベタです。ケーキ食べさせたり(食べてないですが(笑)
寸止め劇場なのはお約束ということで。

おあとがよろしいようで。(?)


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